泥酔して
真夜中の朦朧とした
魑魅魍魎となって書いたようだ
気持ちが先走りしてるだけ
六十六歳
まだ若い
乳がん再発
娘も三人産んで育て上げた
綺麗で明るくて強い叔母だった
旦那の叔父貴はしきりにしきりに言ってた
「俺が先に逝きたかったよ」「見送って後始末をするのが本当につらいよ」
普段抑えた気持ちは消えていない
酒を飲めば表出する
酒は心の奥底に隠れている気持ちにライト当ててくれる
だから思い出さずにはいられない
べつにそんなつもりで飲んだわけじゃないのに
一番大事なこと思い出しなよと酒が言う
歌ってもその人思い出さずにいられない歌になる
そうやって置き所のない気持ちを置く場所を真夜中に探す
やがて朝が来る
日常がやってくる
素面になってまた始まる
白くて暑い外に向かってまた今朝も出ていく