見送るほうよりも、
見送られるほうを。
死には、早すぎるも遅すぎるもないと思う。
長いようで短い生。一瞬の生。
これから何年生きていけるのか分からない周囲の人間は戸惑うが。
生きている間にいつまでも長く健やかで意識も明確でとか。
どんどん生きている残されたほうが面倒くさいことを言ってくる。
人間の寿命なんて、この宇宙時間から換算したら一瞬。所詮。
でも、生臭い人間の良いところはここからなんだな。
この一瞬を永久保存しようとするところ。
詩とか歌とか絵とかその他諸々・・・・・・・・・・・・。
化学反応で出来た儚い肉体を身にまとった人間は。
後付けで諸々の言い訳を死ぬまでしようとする。
要らない。まったく。
一瞬でも凝縮した氷のごとく。
生も死もない。
ただあるのは、夢幻なり。