ビデオで見ましたが、日中平和友好条約締結の時、中国の最高実力者だった小平が1978年の日本記者クラブへの会見でこう言いました。
「尖閣問題は一時棚上げにしてもかまわないと思います。10年棚上げにしてもかまいません。
我々のこの世代の人間は知恵が足りません。 この問題は話がまとまりません。
次の世代はきっと我々よりは賢くなるでしょう。その時は必ずやお互いにみんなが受け入れられるいい方法を見つけることができるでしょう」と。
そして、尖閣の交渉を避けて=何も決めないで、事実上「尖閣問題棚上げ」をして、平和条約を結びました。
しかし、それは今後どうしていくのか具体的には何も決めない、あいまい極まるものです。
(当事者間の秘密の約束事はあったかも知れないが発表はされていない)
それ以後、中国は自国民に対して「釣魚島は我が国の領土だ!」と教育・宣伝し、一部の反日活動家が尖閣を奪うための活動にのめり込んできました。
他方日本では、それ以後、自民党政権も民主党政権も①中国政府に配慮して「尖閣諸島に何も手を加えないで、政府関係者以外の日本人にも上陸を許可しない状態」を維持し続けて来ました。
たとえば1997年に新進党の西村議員が上陸した時には、当時の梶山官房長官が「大変遺憾なことだ。日中関係全体が損なわれることはあってはならない」と厳しく批判しました。
その一方で②「尖閣諸島は日本固有の領土である。 領土問題は存在しない」と事ある毎に繰り返し言い続けています。
しかし、考えてみれば珍妙な話です。
②「尖閣諸島は日本固有の領土である。 領土問題は存在しない」のなら「今後も交渉の余地は無い」ということでしょう。
それなら①中国政府に配慮して「尖閣諸島に何も手を加えないで、日本人にも上陸を許可しない状態」を維持する理由はどこにあるのでしょうか?
もしかして当時の秘密の約束事を、この期に及んでも、いまだに守っているのでしょうか?
中国を刺激しないように、尖閣諸島に何もしないで何時まで待つのでしょうか?
そんな状態であるのに、ただ「領土問題は存在しない」と言っているだけでよいのでしょうか?
・・・中国では「釣魚島は中国の領土だ」と宣伝戦を繰り広げています。
「琉球も歴史的には中国の領土だ。 琉球を中国に返還せよ!」と叫ぶ者たちも活動を活発化させています。
・・・10月にはまた中国の反日活動家たちが上陸しに来ると言っています・・・他の動きもあるでしょう。
なお、中国共産党は、清がイギリスなどの西欧列強に領土を奪われた経験から、軍事的実力のない時期に国境線を画定してはならないという考え方を持っています。
それだけならよいが、さらに進めて、立場を逆転し、軍事的優位を確立してから軍事力を背景に国境線を画定するというのが中国の戦略です。
中国の戦略の事例は、中印国境紛争や中ソ国境紛争などにも見られます。
前段階としての軍事的威圧は、東シナ海および南シナ海で現在も進行中です。
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