婚活とサンクコスト

先日、喫茶店のカウンター席で本を読んでいたら、斜め後ろのちょっと離れた席に
30代半ばぐらいの女性グループがいて賑やかにお喋りしていた。

べつに聞き耳を立ててた訳では無いのだけど、時々耳に入ってきて
どうも、結婚についての話らしかった。
最近は婚活が流行してるからね。

で、その中の一人が「生まれてくる子供のこと考えるとねー、顔は大事よねー」
みたいなことを言った。

そりゃ出来れば可愛い子供の方が良いでしょうから、結婚するなら
イケメンが良いだろうけど、子供はペットじゃないんだからね～。
その前にアンタの顔は…いや、きっとお綺麗なんでしょ。見てないけど。
まぁ、ホントは子供は関係なく面食い批判を避けるために言ったのかもね。

しばらくして、今度は
「ここまで来たら、妥協はしたくない。」と言うのが聞こえてきた。

このセリフ！前にも聞いたことがある！！

その時の女性もやはり30代半ばぐらいだったが、この辺の女性の一般的な考えなのだろうか？

で、前の時は心の中で「何言ってんだ、ここまで来たら妥協しなきゃ結婚は難しくなるだろうに。」
と思ったが、最近はひとの考え、意見を尊重するようになってきたので今回は
「ま、そうだよね～、自分を誤魔化してまで結婚する必要も無いしな～。」
と思ったのだが、なんかいま一つ釈然としない思いが心の中に残りモヤモヤしてきた。

モヤモヤの原因は何だろうと考えていたら、「サンクコスト」という言葉が浮かんできた。

これ日本語で言うと「埋没費用」と言うらしいのだが、その意味は
「すでに使ってしまい、回収できないコスト（費用）」だそうだ。

wikiに書いてある例で説明すると、
映画館に行って1800円払い、上映時間2時間の映画を見始めたところ余りにも面白くなかった。
で、この場合選択肢は２つ。
①1800円がもったいないので、我慢してみる。
②このまま観ても時間の無駄なので、映画館を出る。

①を選んだ場合、チケット代1800円に加え、約2時間を失う。
②を選んだ場合、チケット代1800円は失うが、時間はほかの事に使える。

ここではチケット代1800円がサンクコストになります。
つまり、チケット代1800円はどちらを選んでも回収できない費用なので
さらに時間を浪費してまで、つまらない映画を見続けることは合理的な選択とは
言えない、残りの上映時間を有効に使うことが合理的な選択になるわけです。

で、話を元に戻しますが。

前の時は「ここまで来たら、妥協はしたくない。」の中の「妥協はしたくない」の部分に
反応したのだが、今回は「ここまで来たら」の部分が気になったんですね。

「ここまで来たら」

この意味は何だろうと考えたとき、これまでの自分の人生、時間を無駄にしたくない
ってことかなと思ったんですね。
つまり、自分のこれまでの人生に見合うような相手としか結婚したくないと。

過去は取り返しはつかない物、つまりサンクコストですよね。

そんなものに縛られて、選択するより、今の自分にとってどうなのか
あるいはこれから二人で作っていくであろう未来を考えた場合
どんな男性を選んだら良いかを考えた方が合理的じゃないかなと思いました。

ま、どれを選択するかは彼女の自由なので、オイラがとやかく言うことじゃないですけど。

ひとの事より、自分のこと心配しろと言われそうだしね。

いずれにせよ、彼女を始め、多くの似た境遇の女性の方々の幸多からんことを
お祈りいたします。