横浜市戸塚区柏尾町に王子神社はあります。大塔宮護良親王が祀られており、本殿の下には護良親王の御首が埋められていると伝えられています。国道1号線のポーラ化粧品の工場の前、かっぱ寿司のわき道を登っていくのですが、氏子の方がいつも境内を浄められており、鎮守の森の境内にいると清々しい気持ちになります。
護良親王といえば鎌倉宮が有名で、お墓も理智光寺跡の小高い丘の上にも、大町の妙法寺には日叡により祀られたお墓もあります。御存じの通り、護良親王は建武七年(1335)の中先代の乱(北条高時の遺児、時行の反乱)の最中、非業の死をとげたといわれています。その護良親王の首が埋められているとの伝承が残っていれば、地元の方はその伝承を子子孫孫まで伝えていくのではないでしょうか。門外漢がその伝承はあり得ない否定するのは容易いのですが、わが身に災難が降りかかるかもしれない当事者はそうはいきません。それがこの神社が大切に護られてきた理由ではないかと思います。
写真は、境内に安置されている護良親王が撫でたとされる狛犬に似た石ですが、奈良県五條市大塔村からいただいたものだそうです。そういわれれば不思議に狛犬に見えてくるもので、有難く撫でさせていただきました。
最後になりますが、自説ですが、護良親王は足利直義の家来である淵野辺義博に殺されたのは事実かと思いいますが、後世に伝わっているほど酷い殺され方をしたかと言えばそうではなく、近世になってかなり脚色されたのではないかと考えていますが、いかがでしょう?これも妄想かもしれません。