人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

西行と《小夜の中山》

2020-11-19 17:28:16 | 日記

東海道歩きで訪ねた場所「小夜の中山」。菊川の里から日坂の宿に行く途中にあります。山の上には幾つもの文学碑があり、特に西行の歌碑は大きく、一段と目立ちます。ファンの一人としてこれは嬉しい限り。その歌碑にある歌は次の通り。

  年たけて又こゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山

この歌は、『山家集』に前書きがあります。

  あづまの方へ、相知りたる人のもとへまかりけるに、さやの中山見しことの、昔になりたりける、思いでられて

西行は二度この峠を越えて東の国を訪ねていますが、この歌は、文治二年(1186)に東大寺再建費用の砂金勧進のために奥州におもむく途中に詠まれたものでしょうか。その時、鎌倉に立ち寄り源頼朝にも会っています。当時の西行は69歳だったとガイドブックにありました。なんと私と同年です。「又こゆべしと思いきや」に西行の気持ちがこもっていますね。私も小夜の中山を越えてみて、同じ思いでした。現代の69歳と平均寿命が50歳くらいの鎌倉時代と比較できませんが、この小夜の中山は歌に残すほどの難所だったと思います。

また写真の歌碑の下の方に注目ください。小さな西行像があり、その前にお供えものまで置いてあります。熱烈な西行ファンがいるようです。

 

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東海道中膝車 ーー藤枝から掛川ーー

2020-11-19 15:56:05 | 旅行

11月18日。一月ぶりに東海道を歩きました。本日は藤枝から金谷。それとも日坂を越え掛川まで行けたら最高などと思いをめぐらし、10時前に藤枝駅をスタートしました。毎回その日の目玉スポットを思い描くのですが、今回は「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」くらい。あとは金谷で蒸気機関車でも見れたら満足などと考えていました。写真は大井川に架かる大井川橋(全長1026.4m)ですが、昭和3年(1928)に完成したトラス橋です。この橋は歩いて渡る価値はありますね。脇に人と自転車が通れる側道があり、ほとんど渡る人もおらず、独り占め状態。思う存分、川越人足が旅人を運ぶ姿を妄想しました。

JR金谷駅に着いたのが13時頃。ここで止めにしてはもったいないとスケベ心を出し、金谷坂の石畳に足を踏み入れました。この石畳の急坂を登り切り、一旦は菊川の里に下りますが、日坂の宿に行くにはもう一度菊川坂を登らなくてはいけません。こちらの方が長く、きつい。大井川を越えてから二山越さないと辿り着けない難所です。実はこの坂を登り切ったところが「小夜の中山」でした。阿仏尼が書いた『十六夜日記』に出てくる場所です。やはり歩いてみないと分かりませんね。周りの山一面の茶畑の景色も素晴らしい、一度は訪ねてみたい場所です。

日坂の宿場では、それぞれの家が屋号のついた名札で出迎えてくれます。江戸時代の宿場の雰囲気も残され、町の人の心意気が感じられました。日坂の本陣跡に着いたのが15時。ここからはJR掛川駅までは1時間に一本あるバスがあるだけです。覚悟を決めて県道415号線(途中国道1号線)に沿ってひたすら8キロの道のりを歩きました。JR掛川駅に着いたのが17時。17時10分発のこだま号に乗れました。本日歩いた距離は27.7㎞。途中の山坂を考えますと無謀なチャレンジでしたが、これから先の行程を考えるとやむを得ない選択でした。

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翻訳にチャレンジ --The WIZARD of OZーー

2020-11-10 19:35:46 | 日記

この新型コロナの感染防止のための自粛期間中に、なんでも試してみようと7月からはじめた原書の日本語訳作業がようやく終了しました。訳した原書はタイトルにもある『オズの魔法使い』(ライマン・フランク・ボーム著)です。ジュディ・ガーランド主演の映画にもなったアメリカの児童文学です。英語はからきしだめで、子供が読む本ならなんとかなると始めたのですが、日本語に訳して文章にするのは実に難しい。ともかく意味を理解して情景を思い浮かべ、適切な日本語を思い出し文章にするのは至難の業でした。この本は198ページのペーパーブックなのですが、日本語の文字数は約89,000字。片手間とは言え、4カ月もかかってしまいました。一日数ページで頭はオーバーフローし、これでは登場人物の案山子くんと同じですね。

しかしこの作業を途中で諦めなかったのは、読み進むと結構面白く、児童文学なのですが大人でも十分に楽しめました。この本が出版されたのは1900年5月17日。日本では明治時代で日露戦争の前です。ウイキペディアの解説では、時代背景として、19世紀のアメリカを描いているとありました。アメリカの歴史をよく知りませんので、あーそうなのかと読んだのですが、私自身は別の視点から読み進みました。なにかストーリーが西遊記に似ています。ドロシーが三蔵法師、案山子・ブリキの木こり・ライオンが孫悟空・沙悟浄・猪八戒、南の魔女がお釈迦さまか観音さまですね。お供の三人?が脳(知恵)・心・勇気を求め旅するところも、どこかインドとか中国仏教の影響受けています。そして随処に登場し、重要な役割を果すWinged Monkeyは孫悟空そのものです。なお著者のボームが東洋思想の影響を受けたなど何処にも書いてありませんが、オズと三人?のやり取りを見ますと、なんとも禅問答のようで・・・。これもまた妄想が過ぎました。

写真はカンザスのプレーリーではなく、北海道の美瑛の平原風景でした。

 

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