釣りバカはただのバカ!

崖っぷち人生を送るT-REXの釣りブログ

林圭一さんの逝去

2016年03月01日 22時31分48秒 | その他釣り
 バス釣り歴の浅い人にはピンとこないかもしれませんが、自分が小・中学生の時トップトーナメンターとして雑誌などでも大活躍していたケイテック社社長の林圭一さん。残念ながら先日亡くなられたようでとてもショックを受けました。

 未だに定番となっているルアーを紹介したり、目から鱗の釣り方や考え方を披露し当時の自分は本当にいろいろと学び、少しでも吸収しようと雑誌を何度も読み返した思い出があります。特にフリッピングやディープでのラバジ使い、ポークの加工やディープクランクのメソッドは必死になって習得しようとしました。そして何よりも驚いたのが、全く乱れなく整然とタックルボックスにワームを収納していて衝撃を受けたの今でも鮮明に覚えています。氏の几帳面かつ丁寧な性格・仕事振りが伺える一面でした。

 林さんがティムコ勤務時代、自分の友人もティムコに勤めていましたが、雑誌やビデオで見る以上にリアルな林さんはバス釣りに対しすごい熱意と異常とも思える程のこだわりを持っていることを聞かされ、ますます凄い人だと思い本当にリスペクトしていました。

 その後ケイテックというメーカーを立ち上げいろいろなルアーをリリースしていきますが、いずれも教授の愛称に相応しい細かいところまで気が行き届いた素晴らしいルアー達でした。自分的にはリングワーム、リトルスパイダー、カスタムトレーラーなどで特にいい思いをしましたが、なんといっても今までの累計50up捕獲数No.1であるスーパーラウンドジグヘッドを使い自作したラバージグです。小さなジグヘッドにも教授の経験・知識が詰め込まれ、仕上げも本当に綺麗な逸品です。そんないい仕事をする教授の作るルアーは安心して使えたし、たくさんの釣果ももたらせてくれました。

 そして自分がバス釣り専門店に勤めていた時、自分がよりたくさんの魚を釣りたいがために、各メーカーさんとコラボでオリジナルバージョンを作ってもらっていたことがありました。はっきり言って売れなくても構わないのでとにかく釣れるものを作ろう!自分のために!という愛社精神のかけらもない考えのもと会社のオリジナル品として販売していました。

P社オリジナル品として販売していましたが、実は単に自分が欲しいものをモディファイしていただけです。でもいずれのルアーもバカ売れしてました

 そんなおり、スモールマウスバス専用ワームとして、ケイテックの『ライブインパクト』を自分好みのバージョンで作りたいと思い作製依頼をしました。正直それ程人気ワームとは言い難かった『ライブインパクト』だったので販売数は期待していませんでしたが、それでいいんです、自分がたくさん釣れれば。でも結果は一生懸命販促したこともあり、記録的なセールスを上げることができ、結果9アイテムを作ってもらい自分がいた時代では1番売れたワームとなりました。

ネーミングにもこだわりました。上から『MANMAワカサギ』『フェロモンワカサギ』『ライブリーピンク2』!!

 もちろんすぐに自分の理想とするものができたわけではなく、何度も教授とMさんにプロトを作ってもらい納得のいくものに仕上げてもらったのです。その時も他のメーカーの担当者にならあれこれと躊躇なく自分の想いを言うことができましたが、なにせ相手は自分が子供のころからトッププロとして活躍し、リスペクトしてきた隙のないプロフェッサーです。教授が提示したものに意見するときも自分に「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ・・・」と言い聞かせて勇気を振り絞って自分の求めているものを伝えたものです。そこはやっぱり自分もアングラーとして譲れない部分でしたから。

カラーのみならずマテリアルもいじるこだわりよう。おかげ様でよく売れ、よく釣れ、大会のウイニングルアーにもなっていたようです。

 そんな形でわずかでしたが林さんと一緒に仕事ができたことは自分にとってとても光栄なことでしたし、いろいろ学ぶこともありました。そして自分が釣具業界を辞める時に、冗談とは思いますがうちに来ればいいじゃんと言ってくれたことはなにかとても嬉しい気持ちで一杯になりました。

 自分にとって、いやバス釣り業界にとっていろいろな意味で大きな影響を与えてくれた林圭一さんの死は本当に大きな損失に思えてなりません。恐らく他のバスプロが他界されてもこんなに残念な気持ちになることはないでしょう。心より御冥福をお祈り申し上げます。

 今後のケイテックはどのようになっていくのかわかりませんが、釣りのことだけではなく仕事についても深い考えと熱い思いを持っていた林さんですから、それをきっちりとMさんはじめスタッフにも受け継いでいるでしょう。今後も私たちを驚かせるようなハイクォリティーなルアーを作り続けていってもらいたいものです。

 

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