定期受診の為にクリニックへ行ったが、待合室で座っている患者の数はいつもの半分程度。それも全員マスク姿で、きちんと離れて座っている。
私もその仲間に加わって誰からも距離のとれる位置に座ったのだが、誰かが咳をすると、さりげなく移動。
「優しくお願いします」と云ったのに看護師さんは容赦なく笑顔でブスリと針を刺す。
検査結果は前回と大差なく、良くはなっていないけれど悪化もしていなかった。
薬局で処方薬が出来るのを待ちテレビを観ていたら7月生まれの運勢は第一位。内心オオッと思いながら内容を見ていると「素敵な出逢いがある」なんて書いてある。つまり今日はオッサンにも春が来ると云うことだ。

天気予報では明日から崩れるらしい。
だから診察は終わったのに帰宅してから今日も真面目にウォーキング。
前から歩いて来るのは、いつも仲良くお揃いのウェアでウォーキングしている二人の奥様。

もしかしたら、これが「素敵な出逢い」なのかも知れないと緊張したが、そのまま素通り。

津波が発生した時の逃げ道として作られた何故か施錠されている避難階段の横を降りて阿寒川左岸の自然が残る直線道を初めて歩いたのだが、何処かに死体でも埋まっていそうな不気味さを感じる。

4キロ程歩き下流に架かっている橋を渡って帰宅。

汗を拭いながら服を脱いでいると「どうして運動用の服に着替えて行かないの?」と奥様の尖った声。
私の小さな胸はグサリグサリと槍で突かれて震えた。
こうして運勢第一位の日は、「素敵な出逢い」など無く終えようとしている。