天気予報通りに音の消えた白い一日が始まった。
太陽が昇るのを忘れたのかと思うような暗さに目覚めるのが少し遅れた。
4月に雪が降ることは珍しく無いのだけれど、今季は暖冬で もしかしたらもう降ることは無いかも知れないと思っていたし、新コロナのゴタゴタで雪のことはすっかり忘れていた。
粉雪が地面に接した途端溶けて消えていたのに、しだいに雪の粒が大きく変わると両手を挙げて降参したのか、木々は枝の上に雪が載ることを許した。
それでも気温はかろうじてプラス。
「溶ける派」の私には、それが力強い味方なのだが、家内は気温や私の言葉を無視して頭に汗拭きのタオルを巻き、「雪かきをする」と云い残して意気揚々と外へ出て行った。
※ 今回は事実を川端康成に似せて少し文学的風に書いてみました。