札幌に居る息子、ジュニア兄から突然電話。
何か困ったことが出来たのかとビクビク。
母親と息子なら話すことは沢山ありそうだが、父親と息子は何を話せば良いのか、話題に困る。
それが何年も音沙汰なしのジュニア兄から突然の電話に思わず身構えてしまった。
「どうした? 何かあった?」と自分に(落ち着け)と云い聞かせてスマホを耳に押し付けたら
「いやぁ・・・あのさぁ・・・・父の日だから、たまには電話しようと思って・・・・・」
私は、一瞬で肩の力が抜け、代わりに喜びが湧きあがる。
「どう? 元気だったか? コロナ・・・・大丈夫か?」と私の方から質問攻め。
年取るとプレゼントなんか要らない。
何かをプレゼントされても、使わずに棺桶の中に入れられることになるかも知れない。
何よりのプレゼントは、元気な声を聞かせてくれることだと、しみじみ思った。
「あのねぇ、俺 誘ってくれる人がいて会社を替えたんだ。今、持っている資格で働ける場所。それにもう一つ資格を取ろうと頑張っているのさ」
毎日ダラダラしている私とは違って、子供は子供で頑張っているのだ。
私は「オネエチャンにだけは気を付けろよ。オッパイには手を出すな」と反省を込めて忠告した。
「アハハ・・・・・大丈夫」と云う元気な声を聞きながらスマホを持っていた私の目から滴が次々と流れ出たのをジュニア兄は知らない。