高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

若手育成の会?

2009年04月18日 07時43分48秒 | 出張

今回15人の作家が出店しているが、私がお会いするのは全員が始めての人ばかりである。

417_022隣 のブースには香川県から竹炭の木村君。小豆島で田舎暮らしをしているそうだ。売っている作品も素朴な表情だ。

「近くのホテルに泊まっているの?」と聞くと

「いえ、ホテルはお金が掛かるので適当にやってます。」

「えっ、適当って?」

「マンガ喫茶とかで寝てます。」とあっけらかんとして言う。

「んー、若さだ!」

417_021 前の売り場には伊勢市から来ている粘土クラフトとして、小さな陶人形を作っている藤井君。まだ、27歳である。彼はマンガ喫茶ではなくて、実家が姫路市にあるのでそこから通っている。

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作者そっくりの作品たち。

「小さな物が得意なのかな?」と聞くと

「いえ、窯が小さくて、小さな物しか焼けないのです。」

「どれくらいの窯なの?」

「30センチ角くらいです」

「そうか!最初はみんなそれくらいから出発するのだから、頑張ってネ!」

417_023 左前では、地元の木工家具が出ている。まだ、接客も恥ずかしそうに俯いている見習いの中嶋君が立っている。まだ、23歳。木工を始めて一年半くらい、親方について修行中である。

「まだ、簡単な物しか作れません。」と言う。

「初めて作った物は何?」と聞くと

「椅子です。」

「最初の作品は取ってあるの?」

「売れました。お爺さんが買ってくれました。」

自分のお爺ちゃんなのか?お客様としてのお爺さんなのか?

私の長男も物作りの道へ第一歩を歩き出した。彼を見ていると長男を見ている様な気がする。

「一人前になるまでには、みんな大変だけれど、自分の道をしっかり歩んで行ってほしい!」   彼らを見ていて、昔、昔、私が駆け出しの頃を思い出してしまった。

しかし、何故私がこの場所にいるのだろう?

竹工房オンセ

コメント (2)
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