高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

石田製帽 

2010年01月08日 08時51分25秒 | 職人仲間

岡山県には、麦藁帽子をつくる産業があるのだが、その中の1社の、「石田製帽」。
出会ったのは、今から7~8年くらい前の事だ。名古屋の松坂屋で職人展が始めてであった。当時、量産タイプの麦藁帽子を卸し専門で制作していたそうだが、経営的にも、卸し専門では行き詰まりを感じて、初めてデパートでの製作実演をした時であった。

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実演をしながら、お客様の声を聞き、だんだんと細かい編み目の、麦藁帽子では1万円・2万円という高級品を制作しだし、全国のデパートへ進出していった。「麦藁帽子」の新しいジャンルを開発して行ったのだ。

しかし、麦藁帽子は季節性が強く、私の所の竹の商材と似通った所がある。夏は忙しいのだが、秋から冬は極端に需要が減っていくのだ。私どもも、春から夏は、売れる時期なので、販売に重点を置き、秋から冬は制作を!そんな、パターンになるのだが、

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今回、石田帽子の陳列されている商品を見て、感心した。

麦藁帽子が1点も無く、フェルトなどの布地を使い、冬物の帽子ばかりなのだ。布を帯状にしたものを、麦藁帽子を作るときの技術で作り上げていく。素材が変わっただけで、技術は同じだ。

手加減一つで、無限の形が生み出されていく!
15_016 左手で形を作りながら、右手で布の張りを調節する。見ているうちに、帽子の形が出来ていく。細かさにもよるのだろうが、一つの帽子が、10分くらいで作られていく。

最新のミシンは便利になっているが、弱に細かい手加減や微調整が取りにくいらしい。もう、何十年も使われている、使い慣れたこのミシンが一番良いそうだ。

15_015 絶えず、新しい商品開発をし、営業努力をし、季節にあった、客層にあった、展開をしていく。私の所に当てはまる事が、沢山あるはずである。

今回は帽子屋さんだけに、石田君に脱帽だ!



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