昨日は、11年前にお買い上げ頂いたバッグの修理です。
どうも、転んだ拍子にバッグの上に乗ってしまったらしく、側面が大きく折れてしまいました。
お客様も、申し訳なさそうに、「治りますか?」と、不安げに持ってきたものです。
こちら側が、15センチほど折れてしまっています。
反対側も、相当重症です。
使い込んだバッグは、それぞれ年月や使い方によって、風合いが違っています。
先ず、使い込んだバッグに似たようなヒゴの色を探す事から始まります。
私の工房では、色々なサイズのヒゴが、古い物から新しい物まで、沢山取ってあります。
その中から、色合いの似たものを見つけ出し、修理に使います。
ベキベキに折れた所に、新しいヒゴを差し、網目を繋ぎ合わせて行きます。
こんな状態になります。
まだ、この時は、差し込んだヒゴの余分は切っていません。
これには、訳があるのですが・・・・
全部差し終わった後、余分な部分を切り取ります。
この状態で、差しヒゴが少し茶色く感じますが、これは、この後の漆を塗った後を計算しているのです。
修理が裏表、全て終わり、角の足も付け替えました。
最後の漆塗りなのですが、修理箇所だけ漆を塗ると、他の部分と違和感が出ますので、バッグ全体に漆を塗り直し、イボタの蝋をすり込んで行きます。
出来上がりました。
途中経過はこんな感じでした。
どんな形に成ろうと、修理いたします。
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