この単純な高さ20センチほどの篭が、これほど英知に満ちた篭とは誰も思うまい。私どもが心配したのは、ご注文くださったお客様に、「果たしてこの篭を作るのにどれほど手間が掛かるか?」「どれほどの特殊技術がいるのか?また、特別なノミまで設えたのか?何度、試行錯誤して失敗したのか?」 そんな部分が代金に掛かってくるのだが、果たして納得してくれるのか?少し心配であった。
しかし、作品を送って見て頂くと「素晴らしい、完璧です!考えていた以上です。」と納得していただいた。お値段の事も、「そんなに安くて良いのですか?」と逆に心配して下さった。と言うのも、いろんな業者さんに頼んだのだが、誰も出来なかったそうだ。明治以降、この篭を作った人はいないそうだ。あちら、こちらに職人さんに合うと、お願いしてみたが作ることが出来ないシンプルであるが、非常に高度な技術がいる事を知っておられたのだ。
物の価値を判ってくれる人の所に行くことになり、本当に良かった。後は実際に使って頂いて、もし、使い勝手など不都合がある時は何時でも手直ししましょう。と言うことでお買い上げ頂いた。
こんな、作品に挑戦する機会を頂いた事を感謝いたします。ありがとうございました。
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