自己と他者 

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エフライム・ハレヴィ『モサド長官の証言「暗闇に身をおいて」』

2008-01-17 21:42:50 | 小説以外 

『モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」』(光文社)

原題は、『Man in the Shadow』

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常に危機と隣り合わせの状態である中東。

その中で諜報という生命線に支えられている国がイスラエルである。

この国の諜報機関の元長官の自伝。

まだ全部は読んでいないが、印象に残った部分

第16章 責任を負うことと責めを負うこと

p.396

~「集団思考」はダメだとは言わないが、情報評価に民主的なプロセスを導入すべきではない。戦略的情報の評価は多数決で決めるようなものではない。諜報機関に集団責任などというものは存在しないのである。

p.404

優れた情報を入手する必要性は明白であり、いまさら強調する必要はあるまい。・・・唯一付け加えることがあるとすれば、すべてをできるかぎり秘密にしておくことである。その種の企ての成否は秘密を保てるかどうかにかかっている。どんなに周到な計画を立て、どんなに有利に事を運べそうな状況だとしても、秘密を保持できぬ者は敗北する。

↑たぶん「~の証言」とタイトルはあるが、この上記の文章が全てを語っているように思う。危機的な状況でどう情報を整理して判断するのか、考え方自体が相当興味深いが。ちなみに、これはジョージ・ワシントンが書いたものだそうだ。ワシントンはアメリカの最初の諜報機関の長官だそうである。