下記の大前研一氏著の『ボーダレスワールド』(プレジデント社)と
マッキンゼーアンソロジーシリーズの『戦略の進化』(ダイヤモンド社)に収録されている
同じく大前研一氏の論文『戦略再考』では全く同じことを言っている。以下、どうしても
ご紹介したい。人・物・資本・情報などの資源が、容易に国境を超えてまたいで自由に
移動していく。政府の規制なんかでは止められない。通信の技術は、情報の移動を加速
させ、金融の発展をも促し、これが、資本の移動に拍車をかけた。
これらを予見していた本だ。しかしながら、自分は、これよりもより重要なのは
下記だと思う。
「競争相手を計算に入れることは、もちろん大切だが、戦略を策定するに当たっては、
それを第一に考えてはならない。優先すべきなのは、「顧客のニーズ」を丹念に調べ、
そのニーズに応えるのに会社がどの程度の「真の自由度」をもっているかを綿密に分析することである。
次に必要なのは、その製品の本質は何か、いったい何の役に立つのかを考え直し、製品を設計・製造、販売するための
ビジネスシステムをどうやったらもっともうまく組織できるかを、改めて考え直す意欲である。」(p.71)
「戦略そのものを決定する要素はあくまでも「顧客」である」(p.72)
「私の経験からすれば、経営者は競争の場で古風な「いくさ」を展開したがる性癖があまりに強い。
この方面ならお手のもので、戦いの駆け引きを心得ている、思っているからである。また、そうすることで、
なんとなく”経営”をやっているような気分になるものなのだ。
そして、顧客中心の効果的な戦略」を打ち出せば全然戦わずにすむ場合があるのに、それを見抜く努力となると、
気合が入らないのが実情である」(p.73)
「戦略の原点に戻れ-基本は顧客(お客様)だ」(p.90)
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書名:ボーダーレスワールド
著者名:大前研一
訳者:田口統語
出版年:1990年11月第一冊
出版社:プレジデント社
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中の論文、大前研一『戦略再考』
書名:マッキンゼー戦略の進化
著者名:名和 高司/近藤正晃ジェームス
訳者:村井 章子
出版年:2003年4月第2冊(3月第一冊)
出版社:ダイヤモンド社