鷺と烏

関東に台風が近付いている日のことでした。
大きな白鷺が悠々と空を飛んでいます。


一番下に見えている電線に止まっているのは鳩なので、比べてみると鷺の大きさがわかります。


鷺は広い畑地に舞い降りたので探しに行きました。


すると人も車も通らない農道の左端にカラスがいました。


カラスの向かい側、農道の右端には鷺がいました。


驚いたことに、カラスが鷺に向かって歩き始めました。


カラスが鷺に話しかけているように見えます。


私には会話が成立したように見えました。


何故なら、二羽が並んで同じ方向に歩き始めたからです。
カラスは「ここ、ボクのテリトリーだからさ、詳しいんだよ。　ついておいでよ」と言ったんだと思います。


農道の左端まで行くと、カラスが畑の中に飛び込みました。


鷺はカラスの行方を覗き込んでいます。


でも追うことはせず、じっと立って見ていました。


それからゆっくりと向きを変えて歩き始めました。


右に向きを変えたところで私の存在に気付きました。


白鷺はゆっくりと舞い上がり


大きく羽ばたいて空高く飛び上がりました。


白鷺は台風が近付いている南の空に向かって飛び去って行きました。