ほぼ寝たきりのお爺さんのおむつを替えさせていただきながら、お爺さんの話に相槌を打つ。お爺さんは認知症でもあるので場所や記憶や時間が曖昧。それでも瞬間の会話は成り立つ。
お爺さんは若い頃、ハチャメチャに生きてきて家族にもずいぶん迷惑をかけ、それが原因で疎遠になってしまったというが、それでも「あの頃はそれで良かった」。と豪語する。そして、まだやりたい事が沢山あるとも言う。
そこで僕は、「煩悩が多いですねぇ」。と、返答すると、お爺さんは、
「死ぬまで煩悩は消えんよ」。と、自慢げに答えられた。
僕はその返事にハッとし、これは一本取られたと思い、「ああっ。たしかにそうですねぇ。悟ってますね」。と、言うと、
お爺さんは「そうだろ」。といって、にやりと笑った。
お爺さんは若い頃、ハチャメチャに生きてきて家族にもずいぶん迷惑をかけ、それが原因で疎遠になってしまったというが、それでも「あの頃はそれで良かった」。と豪語する。そして、まだやりたい事が沢山あるとも言う。
そこで僕は、「煩悩が多いですねぇ」。と、返答すると、お爺さんは、
「死ぬまで煩悩は消えんよ」。と、自慢げに答えられた。
僕はその返事にハッとし、これは一本取られたと思い、「ああっ。たしかにそうですねぇ。悟ってますね」。と、言うと、
お爺さんは「そうだろ」。といって、にやりと笑った。