硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

これも真理なのでしょう。

2014-11-12 18:26:06 | 日記
ほぼ寝たきりのお爺さんのおむつを替えさせていただきながら、お爺さんの話に相槌を打つ。お爺さんは認知症でもあるので場所や記憶や時間が曖昧。それでも瞬間の会話は成り立つ。

お爺さんは若い頃、ハチャメチャに生きてきて家族にもずいぶん迷惑をかけ、それが原因で疎遠になってしまったというが、それでも「あの頃はそれで良かった」。と豪語する。そして、まだやりたい事が沢山あるとも言う。

そこで僕は、「煩悩が多いですねぇ」。と、返答すると、お爺さんは、

「死ぬまで煩悩は消えんよ」。と、自慢げに答えられた。

僕はその返事にハッとし、これは一本取られたと思い、「ああっ。たしかにそうですねぇ。悟ってますね」。と、言うと、

お爺さんは「そうだろ」。といって、にやりと笑った。