硝子戸の外へ。

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よく吟味してみる。

2015-09-21 22:21:56 | 日記
安全保障関連法案が可決されました。強行採決だと批判されていますが、多数決で決められたのだから、認めなければならない事実なのだと思うけれども、新聞記事を読んでいると、国民の声は、戦争に巻き込まれるのではないかという不安で膨らんでいる。
しかし、感情的になっては見落としてしまうものもある。僕個人が目指すのは止揚。少し冷静になって情報を集めて考えてみたいと思います。

まず、案件は安全保障であるから、私たちは隣人をどこまで理解できているであろうかと考えた。
選挙にも関心が薄く日常を普通に生きている人であれば、安保法案可決に歓迎しなかった、ロシア、中国という大国についてもよくわからないままなのではないでしょうか。

そこで、少し気になった記事を拾い上げてみます。

まず、経済的にも豊かになった中国はその資本力を活かし、南シナ海の岩礁を埋め立てて、飛行場や港などの施設の建設を進めていますが、周辺国のフィリピンやベトナム、ニューギニア、台湾などはこの動きを懸念しています。

それに対し、中国の王外相は「南シナ海は中国の領土であり、十分な歴史的かつ法的な根拠を持っている」と主張しています。

もし仮に、王外相の説明がスタンダードになり、施設が整備されれば南シナ海を通る際には、スエズ運河のように「通行料」なるものが発生するのではないでしょうか。この海域は多くのLNGタンカーや原油タンカーが通るので、通行料が発生すれば、かなりの利益が見込まれます。

また、尖閣諸島や沖縄本土に近い、東シナ海のガス油田開発も大きなポイントであり、あの大きな施設が今後どのように利用されてゆくのかも注意してゆかなければなりません。

ロシアも経済が緩やかに回復してきており、ウクライナやシリアへ干渉しつつ、中国へはガスのパイプラインを通そうと働きかけています。今年の7月にはメドベージェフ首相が北方四島を訪問しており、今後の動向が気になりますが、力技で領域を広げられれば、現在の領空、領海も侵犯ではなくなります。
現状では侵犯されても追いかけてゆく手立てしかないので、緊急時には米国に頼りたいところですが、中国はアメリカにとってまだまだビジネス提携しておきたい国であり、ロシアも下手に干渉するとこじれてしまう可能性が高いので慎重にならざるを得ないのが実情だと思うのです。

そして、海外に活躍する場を広げてしまった働く邦人もテロから守らねばなりません。まとまりのない組織が戦闘をしかけてくる状況で、非武装では隊員も含めた全員の命が奪われる危険が高くなります。

おおざっぱな情報から考えた偏った捉え方でしかありませんが、どうしてこんなことになってしまったのかという疑問が残るのです。
僕たちがあまりにも豊かさを望んだからでしょうか。少し不便であっても国内経済が地産地消のような形で賄えていれば、このような問題に直面しなくて済んだのかもしれません。

しかし、実際は現状に満足しない人たちが多数であり、いくら平和を望んでも、人の心から妬みや執着と言う気持ちまでも消えるとは思えないので、現状を維持しようとすれば、どこかで誰かがリスクを背負って働きかけなければならないという、難しい時節になってしまったのではないかと思ったりもするのです。

多種多様な人種の集まりである地球において、グローバルとは真の幸福をもたらすものなのでしょうか・・・・・・。