硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

スターウォーズ 最後のジェダイ 再び。

2018-01-02 22:57:34 | 日記
姉と姪が帰郷し、また、三人で映画を観る機会を得た。今回は「スターウォーズ 最後のジェダイ 字幕版」であった。
2回目だけれど、やはり面白く、新たな発見が多い。前回はうっかりして吹き替え版を観てしまったが、今回は字幕版にしてもらったところ、セリフに微妙な違いがいくつかあり、セリフによって場面のニュアンスも少しばかり違ってくることに驚きつつも、今回は、封切られてから幾日か経つので、少しだけネタバレを含みつつ感じたことを一石。

「多様性社会を維持するには愛と赦しが必要である」というメッセージは、レジスタンスの「ポー」さんと「フィン」さんを取り巻く環境が表しているように思いました。

たとえばポーさん。独断専行で動き、多くの犠牲を出したり、反乱軍の中で反乱を起こしてしまい、レイヤさんやホルドさんの頭を悩ませるのだけれど、レイヤ達は彼を赦し、また、「フォースと共にあらんことを」という言葉を譲り合う場面は、多様性社会の寛容さを見事に表していたと思います。

対して「フィン」さん。ファーストオーダーのコミニュティでは、あい変わらず番号で呼ばれ、裏切り者であるが故に「クズ」呼ばわりされ抹殺されかけてしまいます。命令に対して服従することが絶対であり、不寛容で赦しも愛も希薄である男性至上主義の縦社会を多様性社会である反乱軍と巧く相対させています。

しかし、格差のある安定した社会。富裕層が優遇される社会を形成する為には、力を持たなければ維持できないという事実も含まれていて、たとえば、ハン・ソロがよく出入りする酒場では荒くれ物もたまり場となっていて、個人的、または小さなコミニュティの中での小競り合いが絶えないことを表しています。その小さな力を軍隊という大きな力で小競り合いを小競り合いで留めていると言えます。でも反乱軍は、その小競り合いも多様性であると認めているようなので、(たとえば、レイの出生は明らかになっていないけれど、スクラップ集めを生業にしてしまった彼女の境遇を考えると)善悪の判断は、その場の環境によって左右されるのではと思いました。

まだまだ多くの事を述べておきたいけれど、これ以上のネタバレはタブーだと思うので、「スターウォーズ 最後のジェダイ」が世界に向けて伝えたいのは、カジノの牢屋にいた謎多き男と同じ立場になってしまうけれど、(彼の言葉って、脚本家、ライアン・ジョンソンさんの本音かもしれません。)

「もう、戦争なんてやめたら」ではないかと思う。