職場の送迎車が新車になった。しかもナビ付であった。この仕様は当たり前なのかもしれないが、僕の車にはナビはないので物珍しい。
さて、まず、車に乗り込みスタートボタンを押すと、(このスタートボタンというシステムもいまだに慣れない)ブルルンと軽やかにエンジンがかかる。と、同時にナビの電源も入り、まず、「携帯電話とつながっていません」と車が言う!!。 おろおろしながらも、社用車なんだしと無視し、サイドブレーキを踏んで解除し(足でサイドブレーキってねぇ)ギアを入れると、ナビさんは今日の日付を丁寧に教えてくれた。偉いものである。
新車は軽快に走る。信号で止まると、エンジンが止まる。ブレーキを話すとエンジンがかかりスタートするのであるが、このレスポンスが気に入らないので、アイドリングストップ機能は早々に切ってしまう。軽いハンドルは車を軽やかに操舵しサスペンションは路面の凹凸を緩やかに吸収する。いい時代になったもんだと感心していると目的地が見えてきた。車をいつのも場所に止めると、ナビさんが信じられない言葉を語りだした。
「この付近は盗難が多発しています。車から離れる際は・・・・・・・」
しばらく呆然とするが、気を持ち直し、車から降りる。勿論施錠は忘れずである。
この付近は盗難が多発しているという情報は、昔から少しばかり治安が悪いという噂を聞いていた。しかし、僕の持っている情報は十年以上も前の物であるから、まさかとは思ったが、以前と変わらず低所得者の集まる地域で、今では多国籍になり、より複雑になっているとは思うが、それをあえてナビが注意喚起するとは。
それが時代であり安心を担保しているのだとは思うが、情報がどこから得たものなのかが理解できない。
もし、仮に、その情報が誤報であったらどうだろう。ただ、不安を煽るだけでしかない。
転ばぬ先の杖という役割もあるだろうが、それでも、違和感は残る。
いつか、このシステムに身をゆだね、信頼しきってしまった時、私達は何を獲得するのであろうか。
それとも、それが、人類を次のステージに誘う使者なのであろうか。
突然雨が降り出した。雨脚が早くなり、ワイパーのスイッチを入れる。ガコガコという音をたてているワイパーブレードは相変わらずあの形をしていて、ブレードに装着されているゴムは一生懸命にウインドウに振り落ちてくる雨粒を振り払っていた。
さて、まず、車に乗り込みスタートボタンを押すと、(このスタートボタンというシステムもいまだに慣れない)ブルルンと軽やかにエンジンがかかる。と、同時にナビの電源も入り、まず、「携帯電話とつながっていません」と車が言う!!。 おろおろしながらも、社用車なんだしと無視し、サイドブレーキを踏んで解除し(足でサイドブレーキってねぇ)ギアを入れると、ナビさんは今日の日付を丁寧に教えてくれた。偉いものである。
新車は軽快に走る。信号で止まると、エンジンが止まる。ブレーキを話すとエンジンがかかりスタートするのであるが、このレスポンスが気に入らないので、アイドリングストップ機能は早々に切ってしまう。軽いハンドルは車を軽やかに操舵しサスペンションは路面の凹凸を緩やかに吸収する。いい時代になったもんだと感心していると目的地が見えてきた。車をいつのも場所に止めると、ナビさんが信じられない言葉を語りだした。
「この付近は盗難が多発しています。車から離れる際は・・・・・・・」
しばらく呆然とするが、気を持ち直し、車から降りる。勿論施錠は忘れずである。
この付近は盗難が多発しているという情報は、昔から少しばかり治安が悪いという噂を聞いていた。しかし、僕の持っている情報は十年以上も前の物であるから、まさかとは思ったが、以前と変わらず低所得者の集まる地域で、今では多国籍になり、より複雑になっているとは思うが、それをあえてナビが注意喚起するとは。
それが時代であり安心を担保しているのだとは思うが、情報がどこから得たものなのかが理解できない。
もし、仮に、その情報が誤報であったらどうだろう。ただ、不安を煽るだけでしかない。
転ばぬ先の杖という役割もあるだろうが、それでも、違和感は残る。
いつか、このシステムに身をゆだね、信頼しきってしまった時、私達は何を獲得するのであろうか。
それとも、それが、人類を次のステージに誘う使者なのであろうか。
突然雨が降り出した。雨脚が早くなり、ワイパーのスイッチを入れる。ガコガコという音をたてているワイパーブレードは相変わらずあの形をしていて、ブレードに装着されているゴムは一生懸命にウインドウに振り落ちてくる雨粒を振り払っていた。