和紙を作る家に嫁いだ嫁のブログ

親子五代に渡り受け継がれた和紙作りの伝統を守るべく今日も奮闘する『和紙を作る家』に嫁いだ嫁のブログ

トロロアオイ。

2015-11-12 19:46:00 | 仕事風景
先週、トロロアオイが届き、川での泥落とし作業→壷への漬け込み作業が無事終わりました。











トロロアオイは、紙を漉く時に無くてはならないアオイ科の植物です。

根っこの部分を叩いて水に浸けておくと、粘液が出てきます。

その粘液が、漉き舟の中での繊維の沈殿を防ぎ、繊維同士を絡み合わせ、一枚の強靭な和紙を作る役目をします。





トロロアオイは、この時期にしか収穫出来ないので、1年間腐ってしまわないよう消毒液に漬けて保存しておくのですが、

小学生が工房に見学に来た時、よく『保健室の臭いがする~』と言うのは、この臭いの事だと思います。


ちなみに、トロロアオイのこの粘液、紙漉きの他にも、ソバやかまぼこのつなぎ、漢方薬にも使われているスグレ物なんですよね。

今年も良いトロロアオイがたくさん漬かったので、主人も良い紙をたくさん漉いてくれる事と思います。(お尻ペンペン笑)