和紙を作る家に嫁いだ嫁のブログ

親子五代に渡り受け継がれた和紙作りの伝統を守るべく今日も奮闘する『和紙を作る家』に嫁いだ嫁のブログ

するどい質問にタジタジです(続編)

2014-01-31 02:19:00 | 仕事風景
前回の記事の続きです(*´ω`*)



先日の映像記録の撮影の際、


『一枚の和紙を作るのに、何本ほどの楮が必要ですか?』


と、監督さんから質問がありました



一本の楮の木のうち、和紙を作る為に使えるのは、白い表皮の部分だけです。


木の芯の部分は、和紙作りには使えないので、一本の楮の木のうち、和紙の原料として使えるのは、ほんのわずか…という事になります。


でも、今まで、


一枚の和紙を作るのには何本の楮が必要なんだろう?


という細かい計算までした事がありませんでした



主人が頭の中で およその計算をし、

『だいたい5~6本だと思います。』

と、その場は返答していたものの、


なんだかスッキリせず、


撮影の皆さんが帰られた後、


資料をひっぱり出して詳しく調べてみました



私の調べた文献には、


5500グラムの原木が



木の芯を取り除くと825グラムの黒皮になり



さらに余分な黒皮を削り落とし、白皮にし、漉く前の段階では245グラム、




そして最終的に製品になると220グラムになる…



と、ありました



5500グラムの原木が、和紙になると220グラムになってしまうんですね


約4パーセントの割合ですρ(・・、)



220グラムと言ったら、和紙の大きさや厚さにもよりますが、だいたい障子紙4~5枚分かな?






この長くて大きな楮の束 ひと束で、和紙が10枚ちょっとしか出来ないという訳です。




という事は、やはり!



和紙一枚作るのに 楮の木は5~6本必要という事になりますね

納得


あ~(^o^)スッキリしました\(^o^)/








色々調べていると、生活に密着した和紙のおもしろい記事も発見しました(*^-^)ヘ_/



和紙は、人間の身体にめちゃくちゃ優しい


という事で、


①ホコリを吸い取る


②湿度を調整する


③臭いを吸着する


④UVカット効果


⑤目に優しい


⑥保温効果で暖房効率のアップ


などなど…の利点があるようです。



例えば①のホコリを吸い取る…


和紙の繊維が複雑に絡み合い、

その絡み合いの間に出来た微細な空間に

マイナスの電気を帯びて、プラスのホコリを吸い取るそうです。


和紙は優しい!!というイメージだけの発想ではなく、

ちゃんと科学的にも証明されているんですね。



UVカットも魅力ですし、湿度調整や保温効果もとても魅力です(*⌒3⌒*)



ね、ね、


和紙ってスゴいでしょう



皆さんも、生活の中に和紙を取り入れてみて下さい!!


一本の楮の木を刈り取ってきてから、


いくつもの工程の中で、何度も何度も私達の手に触れ、


ようやく出来上がる和紙の優しさや暖かさを手にとって感じてみて下さい(*^▽^)/







するどい質問にタジタジです。

2014-01-28 02:20:00 | 仕事風景
雪混じりの雨の降る

凍てつくような昨日の寒さから一転、


今日は、このまま春がやってくるのでは…


と思わせるような穏やかで暖かい一日でした







さて…


先日からお話ししている丹後和紙の映像記録の為の撮影のお話です



これは、25年度の文化庁からの補助事業で、昨春より撮影が始まり 今春まで続く予定になっています。



撮影は、京都の『映像工房 出水』さんが請け負って下さっており、


毎回、出水さんをはじめ、監督さん、カメラマンさんが遠路 撮影に来て下さっています



和紙作りの仕事は、自然相手の仕事で、
天候などにも かなり影響される為、


撮影の日程や段取りなど、迷惑をかけてばかりですが、いつも快く応じて頂いています



その撮影の際に…


実は私、毎回落ち込む事があるんです



カメラを向けられると 緊張してしまって、


慣れている作業なのに動きがめちゃくちゃ変になってしまったり、



そのあとの監督さんからのインタビューでも、

めちゃくちゃ変な事を口走ってしまうんです




普段、特別深く考えず、
何気なく こなしている作業に、


とても高度で するどい質問を投げかけられると、


一瞬『えっ?』と動きが止まってしまいます



監督さんやカメラマンさんのフォローで、
これまでは、その場その場をどうにか切り抜けてきましたが、



撮り終えたあとの落ち込みったら…(´Д`|||)



でもね、


皆さんが帰られた後、


質問された内容を、もう一度、


資料をひっぱり出してきて調べるんです。



そしたらね、新たな気付きや発見があり勉強になることがたくさんあるんです



先日あった、


『和紙を一枚作るのに、楮の木は何本くらい要りますか?』


の質問も、帰られてからもう一度詳しく調べてみました。



調べた結果を載せようと思っているのですが、



只今、真夜中の2時過ぎ…(;^_^A


長くなりそうなので、また後日の記事で続きを載せたいと思います。



色々調べていると、生活に密着したおもしろい文献をたくさん発見しましたよ~(*^^*)


併せて紹介しますね



寝不足は、若さと美貌(?)の維持には、大敵ですゆえ、とりあえず本日のところは寝ると致します!!



おやすみなさいっ(+.+)(-.-)(__)..zzZZ




なかなかです┐('~`;)┌

2014-01-23 20:55:00 | 仕事風景
この辺りは、


日本海側特有のしぐれ現象で、

冬場は特にぐずつき易い天候が多くなります



特に今年は、


第一回目の楮蒸し(かごむし)をして以降、

雪や雨の降る日が多く、剥いた楮の皮がなかなか乾かず少々停滞気味で頭を痛めております



楮が乾かないまま長期間 放置すると

カビが発生し、皮がダメになってしまうので、

雨や雪の日は、稲木をナイロンで覆うなどし、


あの手この手で自然を相手に戦っています。






その甲斐あって、今日ようやく楮の皮の手返し(くくり直し)が出来るまでになりました。









これまでくくってあった方をほどき、
反対側をくくり直し、
束ねてあった方にも風が通るようにします。


あとは、一年分の原料として保管できるよう

毎日出し入れをし、

カラカラになるまで乾かしていきます






今日は、丹後和紙の記録映像を撮影する為に

監督さん、カメラマンさんが朝から来てくださっていました





今年に入ってからでも もう3度目です。


前回の楮蒸しの時なんて、うちの仕事の都合に合わせて

早朝の4時過ぎには撮影に来て下さっていたし、


今日の、楮の川ざらしの撮影では、一緒に川にまで入って下さいました


毎回、本当に頭が下がる思いでいます



これだけ大変な思いをして撮ってもらった映像…

どんな風に出来上がるのでしょう


自分がDVDに映るって、どんな感じなのでしょうね(;^_^A

楽しみなような…

恐ろしいような…


出来たら、私の出番はチョロッとにしてほしいのですが…(;^_^A


あっ、そうそう

このDVDには、12の暦絵の講習会の様子も収録されているはずです


うふふ…


出来上がりが楽しみです



長い一日でした。

2014-01-16 20:20:00 | 仕事風景
今年一発目の楮蒸し(かごむし)


無事終了しました~



朝の4時から夜の9時頃まで

一息つく暇もなく 突っ走りました



でもお陰で、ケガや事故もなく たくさんの楮の皮が剥けました~(*^^*)








剥いた皮を稲木に干しました







稲木に楮の皮を干す際、


主人は稲木(いなき)の上に…





高所恐怖症の私は、下から楮の皮をほり上げる役です



力一杯投げないと主人の手元まで届かないし、

束の数がすごいので 結構な全身運動なんです



それに 蒸し上がった楮の皮を剥く部屋は、
湯気と熱気で 汗ブルブルのサウナ状態



汗をブルブルにかいて…

全身運動もして…


ホントなら 体重減りそうなもんなんですけどぉ~~(  ̄▽ ̄)


う~~ん、無理ですね~。


残念┐('~`;)┌


まっ、ケガや事故なく第一回目の楮蒸しが終わったんで良しとしましょう♪


あとは、今回蒸した楮の皮が 順調に乾いていくのを祈るばかりです。







準備万端!!

2014-01-14 20:50:00 | 仕事風景

明日は早朝の4時起きです(=_=)


楮の木を蒸して皮を剥く作業を朝の5時から行うんです






桶を滑車で吊るし





楮を詰めた釜にかぶせて蒸していきます。



蒸し上がった楮を何万本…?何十万本…?
冷めないうちに 剥かなくてはならないので、


家族だけでは手が足りず、
毎年、近所のおばちゃんにも手伝いにきてもらいます。


作業の様子は、また後日お知らせしま~す(*^▽^*)