和紙を作る家に嫁いだ嫁のブログ

親子五代に渡り受け継がれた和紙作りの伝統を守るべく今日も奮闘する『和紙を作る家』に嫁いだ嫁のブログ

実家で見つけたもの

2020-07-29 14:38:00 | 母のこと
先日、母の年金手帳を探しに、実家へ行った時のこと。

ゴソゴソしていると、大切にしまわれた箱の中に、こんなものを見つけました。



和紙のハギレで作った小物。

楊枝入れやボウシの形をした磁石…

『来て下さったお客さんにオマケに差し上げて!』

と、いつも母が作っていてくれたものでした。


母は、手先が器用だったので、仕事を定年退職してから、

和紙の小物作りの内職をお願いしていました。

ブックカバー、手帳、エチケットミラー、カードケース……

母が作り出してくれた小物は数知れず。



『和紙でこんな商品を作ってみたい!!』
と、お願いすれば、自分で型紙を起こして、どんなものでも作ってくれました。

本当に器用な母でした。

貧乏性の母は、小物を作って残った和紙のハギレも無駄にはせず、

お客さんに愛想をするオマケまで作ってくれていたんです。

実家に、まだこんなにたくさん残っていたなんて…

母は、どんな思いで作ってくれていたんでしょうねぇ。

内職をお願いしに行った時も、出来たものを受け取りに行った時も、

母はいつも

『これを作っとる時が一番楽しいんや!作らせてもらえて、ほんま有り難い!』

『あんたが訪ねて来てくれるんが一番嬉しいわ!ありがとう!』

と、言っていました。

こっちが『ありがとう!』なのに、逆に母のほうが、ありがとう、ありがとう!と何度も言ってくれていました。

あの頃、私は、ちゃんと母に『ありがとう』って言えていたでしょうかね…

年金手帳と一緒に、箱いっぱいの母の思いも持ち帰りました。