和紙を作る家に嫁いだ嫁のブログ

親子五代に渡り受け継がれた和紙作りの伝統を守るべく今日も奮闘する『和紙を作る家』に嫁いだ嫁のブログ

母の聴いていたCD

2021-06-07 08:21:53 | 母のこと
母の使っていたタンスを持って帰ってきました。



デイサービスに行き始めた頃買ったタンス。
もう母は使わないので、貰って帰ってきました。

デイサービスへの送り出しを訪問ヘルパーさんにお願いしていたので、

朝、着せてもらう衣類が分かりやすい様、このタンスに整理し直していました。

タンスを持って帰って、中に私が作ってプレゼントした和箱がひとつ…

そして、その和箱の中にはCDが一枚と歌詞をコピーした紙が一枚入っていました。
『手紙』という曲。

???
アンジェラ・アキさんかと思っていたら、

よく見ると樋口了一さんと言われる方の曲のようでした。

歌詞を読んで…





泣けました。

母は……

このCDどうしたのでしょう?

誰かに貰ったのでしょうか?

どんな思いで聴いていたのでしょうか?

認知症になり始めた頃の母の不安だった気持ちを思うと、
切なくて、涙が止まりませんでした。

『あなたと話す時、同じ話を何度も何度も繰り返しても、
その結末をどうか遮らずにうなずいてほしい…』

『私の姿を見て悲しんだり、自分が無力だと思わないでほしい』

『あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように、私の人生の終わりに少しだけ付き添ってほしい』

CDを流してみて、樋口了一さんの優しい歌声にも涙が出ました。

今までは、
もう絶対あの頃には戻りたくない!
そう思っていました。

認知症介護、本当に大変で毎日泣いて怒って…の繰り返し、
疲れ果てて私の方が壊れそうになっていました。

でも…

このCDを聴いて、やっぱりもう一度あの頃に戻ってやり直してみたいと思いました。

ありのままの母を受け入れ、もっともっと優しい気持ちで、母との貴重な時間を過ごせるかもしれない…と思いました。