すずめ休憩室

日々のこと、好きなこと、飼っていたペットのことなどなど・・・。
気の向くままにつづってみました。

「T・Pぼん」

2005年11月05日 | 漫画・本
藤子不二雄・・・・この名を知らない日本人はおそらくいないのではないでしょうか?「ドラえもん」「おばけのQ太郎」「パーマン」「怪物くん」「キテレツ大百科」「忍者ハットリくん」等、子供の頃、夢中になって漫画を読んだり、テレビアニメを見たという人も多いのでは?

そんな数ある藤子作品の中で隠れた名作ともいえるのが、この「T・Pぼん」

「歴史モノ」漫画が好きな私としては気になっていた漫画だったのですが、なかなかこの作品を読む機会がなかったところ、日頃、お世話になっている「なごいく温泉」のサイト主・なごいくさんからお借りできました、ありがと~なごいくさん。

物語は、ひょんなことから「T・P」の存在を知ってしまった「並平ぼん」という平凡な少年が秘密保持の為に「T・P」の一員として活動するところから始まっていく。

「T・P」とは「タイム・パトロール」の略で、その活動内容は過去に不幸な死を遂げた人々を歴史に影響が無い範囲で人知れず助けるというもの。「T・P」の一員となったぼんは戦中戦後の日本を始め、ジェセル王時代の古代エジプト、地中海のクレタ文明、魔女狩りが行われていた中世ヨーロッパ、生贄の儀式が行われていたマヤ文化などなど様々な時代を行き来するのだが、歴史的事実を絡めながら、毎回一話完結の話に纏め上げているのはさすがとしか言いようが無いのです。

代表作「ドラえもん」は子供のみならず、大人になってから再度読むとその奥底にあるものが見えて奥深いと漫画好きの人がよくいいますが、この「T・Pぼん」もそんな漫画の1つなのかもしれないですね。子供が読んでも面白く為になるが、大人が読んでも全く遜色ない。後世に残したい漫画、子供に読ませたい漫画というのがあれば、この漫画もそんな1つなのでしょう。

ただ残念なのは未完であるということ。
「藤子不二雄」というペンネームは藤本先生と安孫子先生の2人の合作ペンネームというのはよく知られている話なんですが、この「T・Pぼん」は早世された藤本先生の作品なのだそうです。完結まで読みたかったよ~

漫画というものは子供に夢を与え、その夢を持っていた子供が大きくなり大人になって素晴らしいモノを生み出すのだという事を気がつかせてくれた先生に改めて感謝と哀悼の意を表したいものです。