すずめ休憩室

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気の向くままにつづってみました。

少女漫画

2008年04月24日 | 漫画・本
「少女漫画」 松田奈緒子 集英社クイーンコミックス


「ベルサイユのばら」「ガラスの仮面」「パタリロ!」「あさきゆめみし」「おしゃべり階段」・・・誰もが知っている王道少女漫画を題材に、それぞれに微妙にリンクしつつ現代に生きる女性を映し出したオムニバス形式の漫画です


派遣と正社員との労働格差の中で、会社へ変革を求めるようと動き出すOL
周りからは美人で才女と謳われながら、それに甘んじることなく常に努力を怠らない女子アナウンサー
パタリロ似の赤ちゃんを抱えながら「本当の育児」「子供の為の育児」を考える母親
結婚願望は無い、恋愛は軽いほうがいいと言いながら、嫉妬苦しむに女性
セレブを目指して奔走するも、本当の幸せは身近なところにあると知ったモデル


そしてやはりこの漫画の真髄は最終章「少女漫画家たち」の部分
これが無かったら、ただの漫画を題材にしたオムニバスで終っていたものが、ここで一つに結びつくというか、全ての少女漫画に通じる何かがあらわになるというか

作画技術とセンスは素晴らしいが人物に魅力を感じないと酷評された売れない漫画家・俵あんは気がつきます
自分に何が足りなかったのか?
そして子供の頃に自分が少女漫画に何を求めていたのかを・・・


あなたにも伝わるだろうか
育ち方も考え方も感じ方も違うのに

私は何も持たない子供だったけど
少女漫画があれば平気だった
それほど強い夢だった

あの頃の自分に恥ずかしくない物語を描きたい
私もあなたを励ましたい

想像以上に
厳しい世界だけど大丈夫

少女漫画はいつだって
私を励ましてくれるから


その言葉に私たちを虜にしてやまない少女漫画と言うものの本質を見た気がします。

さてさて、でっかい瞳の表紙とタイトルに惹かれて買ってしまったこの漫画ですが、この瞳なんか見たことあると思いませんか?
松田さんが「少女漫画をイメージして描いた瞳」だそうで、特に誰かを意識して描いたわけではないそうなんですが、なんか見たことあるよーな気がしてならない

案外それが皆がイメージする少女漫画の瞳というものなのかもしれないですけどね~(笑)