すずめ休憩室

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気の向くままにつづってみました。

「風と木の詩」

2006年08月27日 | 漫画・本
暫く前に読み上げ、感想を書き上げながらなんだんかだと暫くあってアップしそこねてましたが、久しぶりに漫画の紹介

今回ご紹介するのは言わずとしれた竹宮恵子さんの名作「風と木の詩」全17巻、小学館(※画像は文庫版、コミックスの方は既に絶版なので手に入れるなら文庫の方が手に入れやすいかも)

ずーっと以前、それも小学生の頃にとびとびに読んでいたのだけど、ラストを読んでなかったのよね。今回、夜さんからお借りでき一気読み。いつもありがとう~夜さん

19世紀末フランス、爵位を継いだセルジュは父の遺言で父の母校でもあるラコンブラート学院の学生寮へ入寮する。そこで彼は美少年ジルベールと運命の出会いをするが、だが彼は娼婦のような生活を送る学院の中でも指折りの問題児だった。そのジルベールと同室となったセルジュはなんとか彼を更正させようとするが・・・

なんか、読んでて年月というのはこうも自分の中の感じさせる部分を変えるのかなと思ってしまった。
昔はジルベールとセルジュ、2人の少年と、そして保護者であるオーギュの歪んだ関係と妖しく耽美な世界にドキドキしながら読んだけれど、今回改めて読むと、美しすぎる悲しさ、悲哀というか、そういうのを感じてしまった

「風と木」はBLのさきがけとよく言われるけれど、なんかそれだけでは無いような気がするんですね。ただの「少年同志の愛」言うよりもっと深いところで人を愛するということや、親と子の関係にも焦点を当てているような気がするんです。
萩尾さんの「残酷な神が支配する」という作品がが児童虐待にスポットを当てたように、竹宮さんはそれよりも早く、そういう親と子の関係において精神的な暗の部分に焦点も当てていたように感じる。セルジュの父・アスランの生き方やジルベールに多大な影響を与えたオーギュの生い立ちなどが書かれている部分など子供頃読み逃していた部分を読めたので余計そう思えたというか

ジルベールがいる以上、ラストはああいう形しかないかなとも思えたけど・・・やっぱり泣けた。

19世紀末、生産性のない貴族という種が最後の輝きを終え斜陽に向かうように、美しくも刹那的なジルベールはそんな貴族を象徴しているかのようにさえ思えた。

竹宮先生の漫画って静と動、陽と陰、2人の少年の対比を主軸にした漫画が多いけど、やっぱりこの「風と木」は凄い、中でもズバ抜けていますね。ガラスのような繊細な心の成長の過程を上手く表現しているように思います

比翼の鳥のように、互いを求め慈しんだ、切なく美しい少年たちの物語。
少女漫画界に新たな一石を投じたともいえるこの作品。時代を超えた名作の一つだと思います。是非一読あれ

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
たれぞ~さんは (ビバ!)
2006-08-27 20:28:43
漫画好きなんですよね?

あたしも結構好きなんですよ。

ただ、読みたいものはいっきょに読みたいと思うんですよ~。

だから誰かが持ってるのを借りるとか・・・

大人買いか・・・

今は、漫喫デビューするか・・・って思ってます。

読みたいの、いろいろあるんですよ~~。

昔、読んだものを、大人になって読むと、違うことありますよ。結構、奥が深かったんだ~~って改めて気付いたり。

これからも紹介お願いしま~~す。
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かなり好きです(爆) (たれぞ~)
2006-08-27 20:53:05
HPの方でも公開してますが、かなり好きです(汗)

私のお給料は漫画と釣り代に消えています



昔の漫画っていいのが多いですよね~

なんだか無性に子供の頃に読んだ漫画を読みたくなっちゃうんですよね。今は文庫で出ているのでだいぶ手に入れやすくなりましたが、きっとユーザーは私と同年代の人が多いのかも



だって今の子たちは漫画よりゲームのほうなんでしょうし・・・いいんだよー漫画も(笑)



そうそう漫画喫茶って未だに行った事ないんです

行ったら感想教えてね



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こんばんは! (なみだ)
2006-08-27 21:27:50
漫画はほとんど読まないんです

高校生のときに「りぼん」とかを読んでたような記憶はあります

唯一、漫画の思い出は・・・『生徒諸君』っていうのがなかったですか?

それを友達から借りて全巻読みました

主人公が教師で彼氏が山で遭難した?と思うんですが。。。あやふや^_^;

高校生の時だったか、短大に入ってからか、社会人になってたかも定かではないくらい昔のことです
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庄司陽子さんのですね (たれぞ~)
2006-08-27 22:08:40
>なみださん

そうなんですか~読まない人は殆ど読まないみたいですもんね。

私も友達で漫画を熱く語れる友は1人しかいません。

あとはネットを通して知り合ったお友達ばかり・・・それも漫画のトピで知りあった人たちだから(笑)



「生徒諸君」というと庄司陽子さんのですね

あーんなに有名な漫画なのに実は未読なんですよ~!

マイナー路線の漫画ばかり読んでるの(汗)

でもこの間らーめん屋さんで「BE-LOVE」だか漫画雑誌をみたらナッキーが先生になって修学旅行のバスで事故にあってました・・・



続きが気になる(苦笑)
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風と木の詩 (富良野の姉)
2006-08-28 10:39:49
高校時代、友達に「まだ刺激が強いと思うからやめといた方がいいよ」と言われ、有名なだけに一度読んでみたいと思いつつもそのまま読む機会を逃しているマンガです(笑)。

今なら『じゃ、そう言うお前はどうなんだ?』と、突っ込みの一つも入れるところですが…その当時は「ふうん」と納得したのでした(なんて素直な私・爆)。



これって、文庫で17巻なんですよね?

BOでそのうち、安くなるだろうか?(笑)





私はあの当時、清原なつのさんが大好きでした。先日「花岡ちゃんの夏休み」を文庫で見つけて、コミックで持ってるにもかかわらず買ってしまった(苦笑)。しかし、3月発売の文庫が8月になってから並ぶなんて、ここの本屋遅すぎ…。

他のも文庫になってるようなので、探さねば。

佐々木倫子さんの「月館の殺人・下」も買いましたよ~。1,200円は高い…(涙)。





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コミックスのほうですよ~ (たれぞ~)
2006-08-28 12:29:25
>富良野のお姉さん

説明不足でしたね、コミックスで全17巻、文庫の方は白泉社版で全10巻、中央公論文庫で全8巻のようです。



いまでこそ、BLが溢れ、中にはすんげー内容のもありますが、当時の少女漫画界では衝撃だったと思います、これ。

小学館だからOKでたのかも(笑)



私も小学生でしたが、「うわーそんな」状態で読んでいた記憶あり・・・でも今改めて読むと具体的なあまり描写ってないんですよね。

それであれだけの耽美を生み出せるとは・・・さすが竹宮先生だ。



>清原なつのさん

柔らかい優しい雰囲気が素敵な漫画家さんですよね

「花岡ちゃん」ってある意味、漫画好き本好きの読者の分身なのかも~て感じます。

意地っ張りで美人にコンプレックスを持っているトコなんてまるっきし共感(笑)



いま「復刊ドットコム」の方から清原さんのコミックスが文庫で復刊しているようで「飛鳥昔がたり」なんかも文庫ででていますよ~

あと「花図鑑」なんかも好きでしたね



>月館の殺人

買ったんですね~いいなぁ

私も買うつもりではいるんですが、1200円が痛くて・・・(涙)

もうちょっとしてから買います

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ああ・・・・竹宮さん (けい)
2006-08-28 22:49:05
ども~、漫画トピでたれさんと知り合ったけいです(笑)私もお小遣いの大半、漫画に使ってます。あとは、温泉とケーキ代(爆・爆)



竹宮さんは大昔、初めて自分で買った週刊少女コミックで連載されてた漫画家さんで、それはそれは大好きでした。なかでもファラオの墓は私の心に残る一冊に堂々ランクインされてます。風木はそのあとすぐの連載なんですよね。



連載開始第1回目から本誌で読んでますが(ああ~年モロばれ、笑)ものすごい衝撃でした。あの時代にはなかったもので、あの当時は本当に斬新でした。すごいぜ少コミ(笑)ただ、まだ中学生だったせいか、前作のファラオにのめり込み過ぎた為か、あの当時は拒否反応おこしちゃったんです。



でも、大人になってから一気読みして、やっぱりたれさんの言うように、子供の頃とは違う感覚におそわれました。悲しい・・・心にずしりと来る思い・・・



また今回私もお借りして再読する予定です。もぅすっかりおばはんの今、ど~ゆう感覚におそわれるのか、すご~く楽しみです。



竹宮さんは絵も大好きなんです。よく真似しました。特に瞳が好きっ!大きな瞳も、切れ長の瞳も。今の絵よりもこの頃の方が繊細で好きなんです。



あ、そうそう、たれさん、私、生徒諸君、文庫で全巻持ってるよ。今の教師編は立ち読みだけども。例の浦沢さんと一緒に送りますか?ど~するする?悪魔の囁き再び(爆)
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悪魔のささやき(爆) (たれぞ~)
2006-08-28 23:56:58
えっえっえっ(汗)

そんなに借りたら返すのがいつになる事か・・・(苦笑)

読みたいけけどなぁ・・・けい箱まだ手付かず状態なのよ



私も「ファラオの墓」大好き~!!

ほれエジプト好きだから(爆)

むかーし読んだときスネフェルとナイルキアの苦悩の部分ってもっとあったと思ったけど、文庫を買って読み直してみると以外と少なくてびっくりしたわ



子供の頃の記憶って1度しか読んで無くても凄い鮮明だからびっくりしちゃう

なのに大人になってから読むとさっぱり記憶にないんだよー(涙)

今、木原敏江さんの「杖と翼」の文庫を借りて読んでいるんだけど、コミックスも別な友達に借りて読んでいるはずなのに何処が加筆されているのかさーっぱり判りません(汗)

160ページも加筆されているっていうんだけど・・・もうもう腐れ脳だわ



「風と木の詩」・・・重いよ(苦笑)

重いまま、ラストに行くよ

なので休日に腰をすえて読むのがいいかも
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エジプト展で・・・ (けい)
2006-08-29 00:35:53
うん、風木が重いのは10重(笑)承知^^もう、落ち込んだら助けてねって予約してるわ(笑)



ああ~杖と翼ね、これ読みたいの~ぅ!!!実は木原さん、ほら私得意(笑)の絵が~!!!で、未読多いのよ。アンジェリクはおもしろかったの。ん~これは~マジ読みたいっ!



ファラオ

ほんとに好きっ!死ぬ程っ!小さい頃の記憶って、うん、違うとこあるよね^^

実はこれも投げられたリストなのよ~ぅ。今は文庫で持ってるわ~。

私本誌で、ナイルの最期見てさ~、1ヶ月落ち込んだ・・・浮上できんかった・・・

で、天国に行って幸せになったふたりって言うサイドストーリーを小学生の頭で考えてたわ。ああ~お○く?いいわ~、自覚してるから~(爆)



そうそう、エジプト展で、スネフェル王って年表に書いてたよね。確か竹宮さん、実在の王の名から取ったんだよね。スネ夫と同じネーミングセンスじゃなくてほっ!(笑)

ムルシリ2世、ラムセスも書いてたね^^一体何しに行ったんだか(笑)



じゃ、生徒諸君はまたの機会にしましょうか?メジャ~はまかして(笑)
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ウチのHPで (たれぞ~)
2006-08-29 01:01:23
「エジプトの部屋」でエジプトに関する漫画の時代背景を調べたことがあるんですよ(笑)



そしたらね、エジプトの古王国時代に実在したスネフェル王と「ファラオの墓」のスネフェルとは全く時代が違ってました~

しかも蛇を可愛がっていた蛇王からのネーミングじゃなくエジプト語でスネフェルって「美しきもの」って意味があるんだそうな

確かに美少年だわよ、彼は(爆)



王家のメンフィスだって、メンフィスという町があるんだけど元々は「メン・ネフェル」(美しく確立したもの)からきているし・・・美しい人にはそれなりの名前が付いているのね~



漫画家さんって色々下調べが大変なんだろうね



>ナイルキアの最期

うんうん、あれは悲しかったなー相思相愛なのにさ。

戦争さえなかったら皆幸せだったんだよね~でもそうなるとナイルキアとスネフェルが出会えなかった可能性もあるか・・・う~ん・・・苦悩



大人になってから読むと二人の悲恋よりアンケスエンが気の毒すぎて・・・(ポロポロ)

あーんなにいい人なのに、父親がダメダメなせいでさ。つーかケス大臣とは似ても似つかないんだけど・・・

本当の父はメネス神官ってことはないのかしらん???



>生徒諸君

未読箱の消化具合で決めますね~

もしかしたら今回はお断りして第2弾リクのときに入れてもらうかも
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