鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2676回】 規格住宅の良い点、悪い点

2018年04月28日 | 住宅コンサルタントとして
お客様からすれば、注文住宅は非常に分かりにくいかと思います。

間取りや仕様に制限がほぼ無いため、
こだわりをしっかりとお持ちのお客様からすれば最高ですが、
日本人は住まいやインテリアデザインにそこまでこだわりがない方も多く、
そういう方の場合、注文住宅だと自社の家の素晴らしさが伝わりにくいことも
あるかと思います。

そういうお客様には、コンセプトが明確な規格住宅の方が分かりやすいことも・・・。

デザイン、間取り、価格、仕様が最初から決まっているので、
分かりやすい上に他社と比較しやすく、
まさしくお客様からすれば買うか買わないかの決断がしやすいと言えます。

個人的に思うのは、
どんな家が自分たちにふさわしいのかよく分かっていないけれど、
ダサい家には住みたくない、と思っている若い方には、規格住宅はありだということ。

住宅会社側からしても、とにかくお客様から早く結論をいただけます。

ただ規格住宅を扱う上で注意しなくてはならないことがあります。

それは売り手側が商品の説明をした後、
お金や土地の話を詰めていくだけの商談になりやすい、ということ。

違う言い方をすれば、お客様のご要望を引き出したり、
お客様の今の生活を理解した上で、こういう間取り・仕様・デザインにすると良いですよ、
といった、提案型の商談になりにくい、ということなのです。

お客様がしたい暮らし、したい子育て、やりたい趣味などをヒアリングし、
それらを実現するための具体的な提案をすることで、
お客様と信頼関係が構築されていくのですが、
雑な営業マンだと商品と価格の説明をして、買うか買わないか、という決断を迫るという、
非常に良くない商談になったりすることもあるのです。

規格住宅だけを扱っていると、真の提案力が身につかない可能性がある、
ということを理解しているだけでも全然良いと思います。

そして真の提案力が無ければ、やはり一生に一回の大きな決断をする際、
お客様が自分たちを選んで下さらない確率が上がってしまいます。

ですので弊社としては、規格住宅を扱っているクライアント様にも
手間はかかるかもしれないですが、注文住宅も扱っていただくことを提案しているのです。

自分たちが扱っている商品を俯瞰して見て、何が最適かということを常に考えたいですね。
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