今回の目玉企画の一つ、障害者就業・生活支援センターのお話。
小学部の先生には関係ない、という話ではありません。また、グループ協議の時、何も言えないから心配、ということもありません。知らないことを知る、協議の中で知っている人から聞いて知っていく、そういうスタンスで学んでいけばいいんです。今、担当している児童生徒もいずれ時が経ち、18歳になり、学校を卒業して、働く人になるんです。その時にどんな人であっていてほしいのか、その将来像を描き、逆算し、そのために今、どんな力を育てたいのか、的確な実態把握をしたうえで、指導目標を掲げ、その目標達成のため、一つ一つの授業、毎日の学校生活の中で、具体的な行動レベルの「ねらい」があり、そのねらいを達成するための指導方法、手立てがあり、日々、仮説を立てながら、指導を行い、実証していくのです。子どもたちがその答えを示してくれます。
人生80年といわれています。知的な障害のある人の学生時代は18歳まで(健常といわれる人では長ければその倍近くの30歳くらいまで学生でいられます)。それ以降の人生は60年以上あるんです。卒業後の60年以上の人生をよりよく生きていってほしい。キャリア教育は、教員が「この1年何とかなれば」と考えがちな中、その子の人生支援の視点に立ち、80年を、将来を見据えた今の1年と捉えて教育計画を立て、授業づくりをしていこうという教育界における大きなムーブメントだと自分はとらえています。
だから、自分には関係ないと思わずに、是非参加してください。知らないからこそ、知ってほしいと思います。
ちなみに、障害者就業・生活支援センターとは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」第33条の規定に基づいて県知事が指定した社会福祉法人やNPO法人等の民間法人が運営する支援施設のことで、就職希望のある障害者や職場定着が困難な方を対象に、雇用、福祉、教育等の関係機関と連絡調整を行いながら、就業及びこれに伴う日常生活、社会生活上の支援を一体的に行っています(埼玉県産業労働部就業支援課:「障害者就業・生活支援センター 障害者就労支援センター ハンドブック 2011」より)。
畠山