Team埼玉 ブログ

自閉症教育と授業改善についての学習会

芽生え探し

2016年05月17日 22時59分18秒 | 日記

学部研究でNCプログラムの視覚記銘と聴覚記銘の演習を40分間で行いました。動画分析のために録画した映像を使用して、実際に子どもとやりとりしている様子を見てもらった後、先生方に10分間で演習してもらいました。時間の都合、演習できなかったところを言葉で説明し、最後にまた、映像で子どもとやりとりしている場面を見てもらいました。伝えるべき内容が多いため、ジェットコースターのような速さでしたが・・・。

正しく伝えることができず、誤解も生じたかもしれません。でも、限られた時間で、やるべきことはやれるように努力したつもりです。長い時間をかければいいというものでもないかもしれません・・・(とはいえ物理的に必要な時間もあるかと思いますが・・・)。

今回、学部研究で10分程度流した映像は、チーム埼玉午前の部で練習させてもらった映像です(保護者の承諾をいただきました)。簡単に通過している場面と、明らかに不通過の場面、その不通過の場面で自分がどのような支援をして「芽生え」探しをしているかという映像です。クールに合否をチェックしながらも、「芽生え」と判断した後は、支援しながら課題を一緒に達成させて、課題遂行している子どもの努力を称賛し、その子が課題に向かうモチベーションを維持しつつ、達成感を感じることができるようにアセスメントを進めている、ということを強調してお伝えしたつもりです。

合否の判定を主眼においてアセスメントをするのではなく、その子の「芽生え探し」のためのやりとりをしたいなぁと考えています。その「芽生え」が、今後の個別の課題学習の課題設定となっていきます。子どもたちは、こちらの表情を、こちらが考えている以上に敏感に読み取っていることがあるので、「できてないな~」という表情を見せずに、課題を遂行していることを称賛しながら、たくさんのヒントを出して、一緒に正解を導き出し、課題を終わらせるようにしていければよいと思っています。その際の支援がその子にとって「わかる」ために有効な手立てであり、その手立て探しもやりとりの中で見つけていくものなのだと思います。「クールな判断と、愛のあるやりとり」それが、ベースではないかと考えています。

追記:話は変わりますが、次回、7月16日の学習会は、参加申し込み90名でしめきります。飛び込み参加は無しです。参加を希望される方はお早めにHPにて参加申し込み手続きをしてください。

 畠山


充実した学習会となりました。

2016年05月15日 23時45分50秒 | 日記

桑野先生のご講義、すごく勉強になりました!

縁があり出会った子どもたちへの人生支援、桑野先生ご自身の理念や価値観、本当にすごいです!共感です!!

最新の情報も含め、20年前から変わらない「本質」の話と、変わった内容のことなどなど、古い知識を改める機会にもなり、変わらない「本質」を確認することができた学習機会となりました。

個人的には、桑野先生が考える、「乳幼児期から学齢期前半の課題」及び「思春期から成人期の課題」がまさにその通りだな~と思いました。また、桑野先生の子どもたちに対する誠実な姿勢に感動し、脳科学や内臓器官などの医学的側面、社会学や心理学、教育学など子どもたちを指導していく上で必要な知識、ものすごい情報量にも圧倒され(その裏には海外研修にも行かれたり、海外の論文も広く読み込まれていたりしているご努力があってこそなのです、そしてその土台に立った上での臨床経験から得た事実)、自分自身の襟を正す振り返りの機会にもなりました。

桑野先生、今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします!!

アンケートの回収率も高く、参加していただいた先生方の、今回のご講演の満足度も非常に高いという結果が客観的にも出ました。今回の学習会に参加していただいた先生方にも感謝感謝です。

午前の部では、なんといっても荒井先生の実践報告が良かった!

小学部でMEPA-Rを使ってアセスメントした結果に基づきながら授業づくりをしていることは、子どもたちの運動発達、社会性発達にとって効果的なこと間違いなしだと思いました。組織としてそれができる「学校力」は、本当にすごいな~って思いました。

自分の実践は「NCランドで運動しよう」くらいですが・・・。

午前午後、そして夜の飲み会を通して、「月曜日からもっと頑張ろう!」と心から思える学習会でした。やっぱりチーム埼玉学習会は面白い!!

 

hatakeyama


「わかる」→「おぼえる」→「できる」

2016年05月08日 18時42分59秒 | 日記

 新しいことを身につけるときには、何をどうすればよいのかがわかり(理解)、所作や動作をおぼえて(スキル)、一人でできるようになることが求められます。自分はこの「わかる」→「おぼえる」→「できる」をキーワードとして考えながら指導にあたっています。

 子どもたちにとって初めてのこと、知らないことを「わかる」ようにするためには、どのように伝えればよいのか?当然、一人一人の理解の仕方は異なるので、言葉だけで理解を促せるのか(耳で聞いてわかる、または得意)、視覚的な教材を用意して示した方が理解を促せるのか(目で見てわかる、または得意)、手を取り一緒にすることがよいのか(体験をなぞってわかる)など、子どもたちが「ああ、わかった!そうするのか、そういうことか~」と実感できるよう個に応じた伝え方の工夫が必要になってきます。

 次に、理解したことを行動で示すには、やり方をおぼえる必要があります。わかっただけですぐにできるようになる訳ではなく、既に習得している行動レパートリーに無い場合には、スキル形成が必要になってきます。おぼえ方にも一人一人の得意不得意がありますので、繰り返した方がおぼえやすいのか、手順表や補助具などの支援ツールが必要なのかなど、やはり個に応じた工夫が必要になってきます。

 そして、おぼえるためには何よりも本人の努力が重要です。この努力のエネルギー源となるのが、本人の「できるようになりたい!」という意欲なのだと思います。この意欲は上手にできたときに褒められたり、自分自身で達成感や満足感を得たりすることでも喚起されます。意欲を持って取り組み、達成したことや習得したことが自信につながっていき、そしてその自信は「次もがんばろう!」という気持ちへつながっていくのだと思います。

 日々、子どもたちから教わることでいっぱいです。褒められてがんばることで、一つでも多くのことを身につけていってほしいなぁと思っています。そのためには「わかる」→「おぼえる」→「できる」を頭に入れながら個に応じた配慮や工夫を大切にしていきたいと思っています。

 目の前の子どもにとって、どのように伝えればわかりやすいのか、伝わるのかを知るためには、アセスメントが有用です。今回の学習会の午前の部ではMEPA-RやPEP-3、NCプログラム等についての実践を通した報告があります(ツールの紹介・解説ではなく、どのように活用して、子ども理解の一助としたかについて)。午前中は無料の会ですので、気軽に立ち寄っていただければと思います。

 参加申し込みにつきましては、お手数をおかけしてすみませんが、チーム埼玉ホームページよりお願いします。資料印刷の関係がありますので、今週13日の金曜日の夜までにしていただけると助かります。もちろん、参加申し込みをしなくても、当日の飛び込み参加はできますが、飛び込み参加の人数が申し込み人数を上回るようなことがあると用意した資料が足りなくなってしまうので・・・。ご理解とご協力のほど、宜しくお願いします。

 畠山