自分がまだ20代後半だった頃、教育実習生の指導教官を初めてした時だったかな?
子どもたちが帰って、放課後に話をしていて実習生が突然、泣き出したことがありました・・・。
「先生みたいに子どもと楽しく遊べません・・・。どうやって遊んだらいいのか、わかりません・・・。」とのこと。
当時の自分は、「頭で考えることはないよ、子どもの期待に応えればいいんだよ」なんて、感覚的で、意味不明な返答をしたように記憶しています。実習生にとって、それができなくて自分を責めて泣いていることを気にも留めず・・・。
小学部の子どもたちにとって、興味関心のあること、好きなことに没頭して、熱中して、集中して「遊び込む」ことは、この時期にはとても大事なことで、将来の「働く力」にもつながっていきます。また、教員が関わり、遊びを広げ、深めることで、遊びの中から基礎体力や運動能力の向上も図られ、他者とのよりよいコミュニケーションを学び、言葉を学び、社会性を学ぶなど、その他の力も含め、多くの学びが「遊び」を通して培われます。
「遊びの指導」という知的障害教育独自の「領域・教科を合わせた指導」の形態が小学部にあるのはそのためです。このことを踏まえると、この「遊びの指導」ができない教員はどうすればよいのか?
それは教員研修、自己研鑽を積んで、
子どもに寄り添い、子どもが何を考え(思考)、何を感じ(情動)、何が好きで、何を求めているのか、実態把握し、指導計画を立て、教材教具を用意し、実際に指導し、学習評価する。PDCAサイクルに基づき、指導改善しながら繰り返し、指導の向上を図っていくこと。できるように努力すること。
または、
子どもに寄り添い、子どもが何を考え(頭)、何を感じ(心)、何が好きで、何を求めているのか、瞬時に判断して、その期待に応える関わりをして、さらに活動や展開を広げ、様々なねらい(Target Behavior)に基づいて指導することができるようになること。Sense を磨くこと。
そして、
IEP(個別の教育指導計画)が頭に入っていることと、子どもの行動観察を的確に行い、子どもの行動を予測しながら常にかかわり、日々、子どものことを考え、省察し、失敗したことから学び、二度と同じ失敗をしないために次に何をしなければならないかを準備する、そういった「クセ」を身に付けること。
等等が、考えられるかなぁ・・・。
時間はかかるかもしれないけれども、「子どもたちから学び、学ばせてもらいながら」努力をし続けて「特別支援教育に携わる教員」になっていくのかな?(教師としての責任の自覚)。
ちなみに、遊べなくて泣いた実習生は、実習を終え、大学を卒業し、幼稚園の先生になりました(お手紙をいただきました)。
実習を通し、体験から学び、悔しい思いをし、意地があって、努力した結果だと思います(できていない自分を責めて悔し涙を流した人と、そうでは無い人との違いかもしれません・・・)。
もし、「遊べない」先生がいるとするならば、是非、意地をもって努力をして「子どもと楽しく遊べる」先生になってほしいと思います。共に頑張っていきましょう!
(畠山)