月刊「実践障害児教育」2月号にチーム埼玉学習会スタッフの荒井先生の実践報告が掲載されています。
「カード整理法による教師間の協議をとおした体育科の授業改善」
小学部低学年の「体つくり運動遊び」「器械・器具を使っての遊び」の内容を取り扱った授業です。
運動能力に関するアセスメントを実施して40名の児童を実態に応じたグループ編成をし,「カード整理法」を用いて題材目標及び学習内容,評価規準を示した題材指導計画を立案し,更に課題ごとの評価表を作成してPDCAサイクルに基づいて授業改善し,主体的な学びや対話的な学び,深い学びを教員間で共通理解して授業づくりに取り組んだという実践です。
チーム・ティーチングをする上で,教員間で授業の研究協議をすること,単元計画・題材計画を共通理解して,その時間と内容のまとまりの中で,どのような力をつけたいのかを共有して一緒に授業を作っていくことは,大変有効であり重要であると,この実践を読んで改めて思いました。
しかし,多忙感極まる日々においては,授業についての振り返りの時間や,単元計画・題材計画の作成など,相当負担感のあることだと思います。負担はあるものの,コストをかけてまでやるのは何故か?それは費用対効果を考えてもそれ以上の効果があるからだと考えます。
教師にとってその効果とは何か?
それを知らなかった,できなかった子どもたちが,分かるようになり,できるようになること。子どもたちと「できた喜び」を共有できること。子どもたちが「できた」を積み重ね,自尊感情も高まっていくこと。資質・能力の三つの柱(知識及び技能,思考力,判断力,表現等,学びに向かう力,人間性等)を育む授業づくりができること。教師として教えることの達成感や充実感を味わえる瞬間,とかなのかなぁ。
「教師は授業で勝負する」と先輩の先生方から教わってきました。そのためには単元計画や題材計画など,ある程度大きな時間と内容のまとまりをとらえて指導計画を立てる力が必要であると考えています(計画・準備・実施・反省・再計画という一連のまとまりを計画した授業づくり)。
この1年で,或いは3年間を見通して,この時期に「身に付けたい力」を考え,学習指導要領を踏まえて各学年における各教科等の年間指導計画を作成し,年間指導計画を構成する単元計画や題材計画において更に具体的な単元(題材)目標・学習内容・評価規準を設けて必要な授業時間数を用意する,その中の一単位時間が本時の授業であるということ。その本時の目標・学習活動・評価基準に基づいて授業が行われていくことが望ましいと考えます。目標が達成されていてもまだまだ何時間も同じ活動が続いていたり,できるための工夫がなされないままできない時間が過ぎていくことがないようにするためにも望ましいと考えます。
授業に関する話し合いや指導計画の作成を負担と思わずに,授業のために効果的で効率的なこととしてワクワクしながら取り組める,そんないいチームで,いい授業を目指していきたいですね。
(畠山)