Team埼玉 ブログ

自閉症教育と授業改善についての学習会

一丸となってこそ、チーム。

2016年04月26日 00時48分38秒 | 日記

自閉症教育は難しい・・・。

後手に回るとその始末のための仕事が増えるし、後手後手に回っての後追いでは埒が明かない・・・。子どもが主導権を握って周囲の人間が巻きこまれていくこともあります・・・。

自閉症教育は先手必勝。失敗経験から二度と同じ失敗をしないための環境調整や教材準備、指導方法が必要になってきます。

同じ失敗をしないための構造化、指導の手立ての検討、教材教具の準備。それらはすべて子どもたちが教えてくれます。

子どもたちの人生の利益を考え、教員として自分に何ができるのか、キャリア教育の視点を持って何を指導できるのか、執念を持ってそこに向き合い続けること。

チーム埼玉学習会に参加する先生方は、同じ方向を向いていて、同じこと、それに近いことを求め、共に学び合っているんだと感じています(これまでの学習会で出会ってきた先生方から感じ取れることとして)。

同じものを目指しているからこそ感じ合える「チーム感」。

職場は違えど、この「チーム感」を感じ合えるからこそ、この「チーム埼玉学習会」は面白いんだろうなぁ~。

そしてこの「チーム埼玉学習会」は、Low Price にもかかわらずその内容は毎回、Hight Quality (自画自賛ですみません・・・)。

個々には全く接点はないかもしれないけれども、今回の学習会で同じ話を聞き、真摯に向き合う姿を感じ合い、目には見えない「大きなもの」を共有できればと思っています。

よろしくです。

(畠山)


現在学習会への参加者受付中です

2016年04月22日 00時55分01秒 | 日記

こちらのブログにはたまにしか出現しない植村です。

おじゃまします。こんばんは。

現在、ホームページの方で5月14日の学習会の参加者を受け付けています。

申込を希望される方はこちらからお願いいたします。

また、以下のようなチラシも完成しました。こちらからフルバージョンが印刷できます

ぜひ、お仲間にご紹介いただければ幸いです。


ワーキングメモリー

2016年04月19日 23時30分13秒 | 日記

  通常学級に在籍している子どもたちの中で、黒板をノートに書き写すことが苦手な子どもたちがいます。この子たちに共通することとして、ワーキングメモリーの弱さが挙げられます。目で見たこと、耳で聞いたことなどを、一時的に記憶にとどめておくことができず、この場合、目をノートに移した瞬間に忘れてしまっていて、また黒板を見る、この繰り返しを頻繁に行うことで、他の子どもたちに比べ、ノートテイキングが遅くなり、授業についていけなくなっていきます。これらの子どもたちに対しては、今後、合理的配慮として、黒板の板書をカメラで撮影したり、授業を録音したりしても良いことになっていくことと思います。障害による困難なので、本人の努力によるものではなく、支援の対象になっていくものと思われます。

 自分が経験した児童の中にも、このワーキングメモリーが著しく弱い児童がいました。例えば、ブロック構成の見本(赤、白、青の順で上から構成する見本)を見て、見本と同じ順番でブロックを構成する課題に取り組む時に、手元に目線を移した瞬間に、見本の記憶が消えてしまっていて、手元で作りたいようにブロックを組み立てています。組み立てたブロックを見本と並べて確認して違うことがわかると、また崩してやり直します。それを3度も4度も繰り返し、たまたま偶然、同じになったときに正解して、とても喜んでいます。これが4つのブロック、5つのブロックになると、確率的にさらに偶然にできあがる可能性は低くなります・・・。課題で問われていること(見本と同じものを作るということ)は、頭ではわかっていても、見本を覚えておくことができないのです。もちろん、この児童に対しては、偶然にできたとことを共に喜び合い、できた喜びの中から、さらにワーキングメモリーの力が伸びていかないかと期待しつつ、3つのブロック条件で指導を続けていきました。

 こういった障害による困難を抱えた子どもたちに対して、ワーキングメモリーを活用しなければ達成できない課題を出し続けることは、子どもたちに失敗経験をたくさん強いることになり、自己肯定感の低下につながっていくかもしれないし、これらの状況を回避するための誤学習(例えば、離席やわざとふざける、無気力になり固まる等)を身につけてしまう恐れがあります。

 そうしないためにも、実態把握をして、適切な課題設定をすることが求められるのだと思います。自分の担当児童の場合、見本を見て手元のノートに字を書くこと(参照模倣課題)は行わず、(ワーキングメモリーを活用しないとできない課題内容であるため)、蛍光マーカーの線をなぞる課題(ワーキングメモリーを用いない課題)で字を書く内容を設定したり、手元を見て達成できる「プットイン課題」や手元で見比べてできる「ひらがな文字や数字などのマッチング課題」、「なぞり等のトレース課題」「パズル」などを設定したりしてました。子どもたちにとって「あ、これわかる!できるぞ!」「個別学習の時間が好き!」となるように得意な力を伸ばしていきつつ、自己肯定感を高めることを優先していくことがとても大事なことだと考えています。 

自閉症とワーキングメモリーについて、(株)スペクトラムライフの桑野先生も、海外の文献を例に挙げて、ブログでご自身のお考えを述べられております。

是非、スペクトラムライフのブログもチェックしてみてください。スペクトラムライフのブログはこちらから。

科学的な理論に裏付けられており、とても勉強になります!!

(畠山)


申し込みを開始しました。

2016年04月18日 00時16分19秒 | 日記

5月14日(土)のチーム埼玉学習会参加申し込みを開始しました。

参加を希望される方は、チーム埼玉学習会のHPより、学習会の参加申し込みの手続きをしてください(このブログのトップにブックマークとしてHPへのリンクが貼ってありますので、クリックしてアクセスしてください)。

たくさんのご参加をお待ちしております。

前回予告した合理的配慮については、文部科学省の示す資料や久里浜の特別支援教育総合研究所のデータベース、県教委が作成したQ&Aの資料では、特別支援学校が小中学校及び高校における巡回相談やセンター的機能として助言を行っている具体的な内容、障害種それぞれの障害特性を踏まえた自立活動の指導の例を挙げているため、通常学級に在籍している6.5%の子どもたち(合理的配慮の対象として、発達障害の診断を受けていることが前提)、そして通常学級に在籍している通級に通う児童生徒や特別支援学級に通う児童生徒(視覚・聴覚・肢体不自由・知的・情緒・発達等)のプランAでは理屈が通るのですが、県内の特別支援学校でのプランAに記載することとなった「合理的配慮」の欄に何を書けばよいのかについて混乱が生じているのだと感じています。

小中学校及び高校では特別支援教育のノウハウが合理的配慮として当たり前のエチケット・人的・物的サービスになればよいのですが、特別支援学校の教員にとっては「合理的配慮」と「自立活動の指導」を明確に分けて説明できることが求められています。答えは明らかですが、その答えを説明できる人はあまりいないようです・・・。

(畠山)

 


気づけばあと一カ月!

2016年04月16日 00時04分33秒 | 日記

 次回、チーム埼玉学習会は5月14日(土)です。気づけばあと一カ月を切っていました・・・。

 (株)スペクトラムライフの桑野恵介先生の「自閉症の障害特性の理解と指導について」の講演は13:00~17:00です。勿論、途中休憩を入れますし、講演を受けての協議の時間も設定し、その後の質疑応答の時間も設けます。オプションとして、午前10:00~12:00に、参加費無料でアセスメント(WISCーⅣ、MEPA-R、NCプログラム、太田ステージ)等の実践報告なども企画しています。17:00以降は個々人の終電まで許す限り、飲み会です。そんなチーム埼玉学習会ですが、良かったら来てください。自閉症教育について全くのビギナーの先生方に対してはもちろん、経験のある先生方に対しても改めて学びのある学習機会になることと思います。自閉症教育を分かっているつもり?の自分を振り返り見つめ直すためにも、是非、最新の自閉症教育を一緒に学んでいきましょう!

 話は変わりますが、本日、28年度2回目の夕練でした。新たな参加者も加わり、中身の濃い学びの機会になってきています。本日の話題は「アクティブラーニング」。次期学習指導要領のメインのポイントとなる「資質・能力(コンピテンシー)の育成」に関わる教授・指導方法です。通常の小学校、中学校、高校、大学におけるアクティブラーニングは言語力が必須の学修ですが、準ずる教育としての知的障害教育では、この言語力が土台にはなりません・・・。それ故、知的障害教育におけるアクティブラーニングは難しいのではないかと思っていたのですが、本日の夕練でその仮説は覆されました。知的に障害があるからこそ、「生きる力」としての学びが身につけられる授業づくりができるのではないか?子どもたちのレジリエンスを育み、自己肯定感を高める指導を考えて授業づくりしていくことがアクティブラーニングに通ずるのではないか、という仮説につながり、新たな側面を見出すことができました。

 子どもたちの利益が自分にとっての強化子となる教員が集まり、一つのテーマについて語り合う学びの機会は、自分の利益ではなく、子どもたちの人生の利益を追究し続ける教員を増やすための確立操作となるんだろうな~(桑野先生とのメールのやりとりから同意した点)。

 只今、プランA作成で話題となっている、合理的配慮についての私見はまた次回に。


教師の専門性って、なんだろう?

2016年04月06日 22時00分44秒 | 日記

 専門性とは何か。教科学習や特別支援教育に関する広く深い知識があること?その指導技術に長けていること?目の前にいる子どもの気持ちを読み取り、その意を汲んで関われること?保護者を支え(自分も支えられ)ともに協力し合えること?必要があれば関係機関とつながり、子どもを中心に据えた連携の輪を構築できること?子どもの実態を正確にとらえ、適切な課題設定ができること?子どもたちがドキドキワクワクしながら学び浸れる授業づくりができること?子どもたちの将来を見据えて今必要なことを考え、指導計画を立案し、実行できること?などなど・・・。まだまだ他にも考えられるかと思います。どれも大事なことで、どれが一番とか、順序付けられるものでもなく、一言で言いきれるものではないのかもしれません。

 筑波大学名誉教授の前川久男先生は「教師の専門性とは覚悟だと思う」と教えてくださいました。「覚悟」。子どもたちの成長しようとするエネルギー。もっとやりたい、もっとわかりたい、もっとできるようになりたい、というエネルギー。そのエネルギーを感じて、教師として子どもたちの成長を願い、惜しむことなく全力で応えようと努力し続ける覚悟。その覚悟があるからこそできることが、先に挙げた一つ一つなのかもしれません。

 今の自分にはまだまだできていないことばかりです。前川先生は「人は成長し続けるもの」とも教えてくださいました。子どもたちと出会い、子どもたちと共に同じ時代を生き、子どもたちから学び、保護者から学び、同僚の先生方から学びながら、教師としての専門性を高めていけるよう成長し続けたいと思っています。

 明日始業式。新たな出会いを目前にして、そんなことを思っています。

 (畠山)


次回、5月14日(土)

2016年04月05日 00時34分07秒 | 日記

チーム埼玉学習会、7年目を迎えました。

7年目の第1回目は5月14日(土)浦和コミュニティーセンター第15集会室(132名定員)で開催します。

「自閉症の障害特性の理解と指導(仮題)」について(株)スペクトラムライフ代表の桑野恵介先生を講師にお迎えして講演していただきます。

この春から特別支援教育に携わることとなった先生方、数年、現場を経験してこられた先生方、数十年、経験されてこられた先生方等、すべての方々にとって大きな学びとなることと思います。まさに、「自閉症とは」「自閉症の子どもたちへ」「そしてその親御さんへ」、共に生き、共に学び合い、支え合う存在の教師として「自分に何ができるのか」「何をどうすればよいのか」、その本質を見出すことのできるお話が、近々の研究論文を踏まえた情報や、桑野先生ご自身の自閉症児者との、その親御さんたちとの、これまでのご経験から聞ける学びの機会となることと思います。

たくさんの先生方に聞いていただきたい、チーム埼玉学習会珠玉の内容です。

自閉症教育は難しい。だからこそ、自閉症についてもっともっと学んでいく努力をし続けていかなければ、と思っています。

是非、都合をつけて来てください。

超お勧めです。