Team埼玉 ブログ

自閉症教育と授業改善についての学習会

次回、教材教具づくりの会

2017年06月27日 00時25分29秒 | 日記

以前、「事例検討会」と「教材教具づくり」を定期的に実施していこうという方針を示しましたが、「事例検討」は春に1回実施して以降、続いておりません・・・が、「教材教具づくり」は次回7月16日(日)13:00~、岩槻駅東口コミュニティーセンター、ワッツBルームにて、3回目の企画となります。

この会は、講師を呼ばず、メインの活動として、ただ黙々と100均で素材を買ってきて、または持参して、各々日々作ろうと思っていた教材教具を作成するといった時間となります。とはいえ、運営メンバーが日頃指導で使用いている教材教具を持参して紹介したり、写真や映像などで教材教具についての実践情報等のプレゼンをしたりすることは少し予定しています。それと、集った参加者同士で教材づくりしながらの情報交換も和気あいあいと自然と多くできます。これまでのチーム埼玉学習会の場合、講師の話を受けての振り返りの時にしか、近くの先生方と話す機会がなかったと思いますが、教材教具づくりの会では、それが実に多くあります。

パソコン、プリンター、ラミネーター等(A4用紙、ラミネートシート、板目など)は用意します。また、少しですが、提供できる素材もありますので、それらを自由に使用できる環境は整えるつもりでおります(参加された先生方にとって情報も含め少しでもお土産をもって帰っていただければと思っています)。

会の最後には、この日作った教材教具のプチ発表会なども企画しております。

この研修の発想の大本は、特総研の短期研修に参加した際の4時間一コマの研修にあります。自分は平成15年度に参加しました。1時間程度、教材教具について講義を受けた後、残りの3時間、自由に教材教具を作成するといった研修でした。その時、自分は雑ながらも9つの教材を作りました(それらの中のいくつかは、現場に戻ってから実際に指導で使用しました)。

かなり独特な研修会ですが、これもチーム埼玉学習会ならではですので、よかったら参加してください。

自分も事前に作る教材教具の準備を整えて、この時間に臨もうと思っています!

(畠山)


本日の研究授業

2017年06月22日 00時01分20秒 | 日記

この1ヵ月、初任研の研究授業「個別の課題学習」(50分間で3名の個別学習・自習学習も含む)を一緒に作り上げてきました。本日、その授業で、初任の先生は生徒以上に緊張していて、その緊張感が見ているこちらにも伝わってくるほどでした。そんな緊張を感じ取り、わざといつも見せないような悪な表情で試すような行動に出る生徒・・・。生の授業ならではの真剣勝負。あえて介入することなく静観しました。

そんな中、初任の先生は考えて、いろいろな工夫をして対応していました。

これまで授業を見させていただき、「仮説と検証」を繰り返すことが大事、とお伝えしてきました。生徒が何を考えて、どのように感じているのかを捉え、そのことに対してどのような教材教具を用意して対応し、その仮説を検証していくのかということ。

研究協議会では、すこし厳しいやりとりがありました。教師として専門性向上のための真剣勝負です。

これまで授業を見させていただき、初任の先生と生徒とのやりとりの中で思ったことをお伝えし、自分の答えを押し付けることなく、問題提起をし、そのことに関して、初任の先生がどのように考えるのか、その考えたことを次の授業にどのように反映させるのか、そんなやりとりをしてきたつもりです。

研究協議会で、厳しいご意見に対し、初任の先生は自分の言葉で、自分の考えを伝えていました。

教員として、自分の行った指導に対して、はっきりとその理由と根拠を説明できる、説明責任を果たせることってやはりとても大事だなぁと思った瞬間でした。

 

 


研究授業:朝の会

2017年06月16日 00時31分53秒 | 日記

日常生活の指導、朝の会。

初任研の研究授業があり、授業を見させていただき、研究協議会にも参加させていただきました。

教育課程編成において、いわゆる「領域・教科を合わせた指導形態」(学校教育法施行規則130条だったかな?)で成り立っている知的障害教育独自の授業。

授業の指導目標に対する評価が難しいと感じました。

構成している主たる教科は知的障害の教科「生活」で、領域は「自立活動」になるのかな。

生活の指導内容の根拠としては、「日課・予定」に関することになるのかな?

自立活動においては、心理的な安定、人間関係の形成、環境の把握、身体の動き、コミュニケーションの各項目に照らし合わせて、指導目標と指導の手立て、指導計画の評価規準、本時の評価基準という構成での学習指導案(Plan)になり、実際の授業(Do)評価の観点(See)になるとよいのかなぁと考えてしまいました。

研究協議では、このことには触れず、MTの声の大きさとか、名前カードのひらがな文字についてなど、指導技術の詳細について意見交換がなされました。

研究協議後、個人的に授業者には自分が思ったことをお伝えさせていただきました。


視覚支援の有効性

2017年06月14日 00時45分54秒 | 日記

本日、本校中学部の研修会で50分間、話をさせていただきました。

特に伝えたかったことは、言語指示を理解して行動できることの難しさです。

ワーキングメモリーについて解説した後に、疑似体験として、聴覚記銘の保持と同時に聞きながら、覚えておきつつ、タイミングに合わせて表出するといういわゆる「one-back task」そして、「two-back task」を行い、その困難さを体感してもらった後に、視覚支援教材を提示しながらの同課題を実施するというものです。

研修後のアンケートには、「言語指示で伝わっていない生徒の気持ちが分かった気がしました」「あんなに難しかったことが、目で見てヒントにすることで、ここまで容易になるとは思いもしませんでした、視覚支援の重要性がよくわかりました」等の感想が寄せられました。

明日からの指導で、言語指示で済ませることなく、視覚支援の教材が多用されることを願うばかりです。

補足として、視覚支援はあくまでも分かるためのツールに過ぎず、本当に大事なことは、ツールがなくても分かってできるようにしていくこと、支援のフェーディングの手続きをしながら、自立と社会参加に必要な力を引き出していくこと、ということを強調させていただきました。

過不足のない支援。

支援が過剰だと、支援に依存しすぎて何も身につかないということ、そして、支援が不足していても、わからないまま何も身につかないということ。視覚支援はあくまでも分かるためのツールであり、分かるようになったら外せるものは外していくという視点を持って指導に当たるということ。

児童生徒が分からないまま時間だけが過ぎていくことがないように視覚支援を活用すること、視覚支援に依存しながら時間だけが過ぎていくことがないように、徐々に支援を弱めていく発想をもって指導すること、そんなことを伝えたいと願い、今日に向けて資料を作成し、準備してきた次第です。

他にも、本日、一緒に授業づくりしている高等部の自立活動の授業で、教材教具を準備すればするほど、生徒がこちらの意図した期待に応えてくれるということを目の当たりにし、よりよい授業づくりをしていくためには、惜しみなく教材教具を準備することの大切さを改めて学ぶことができました。

本当に日々、子どもたちから学ばせてもらっています。