Team埼玉 ブログ

自閉症教育と授業改善についての学習会

秋休み

2015年09月30日 00時25分44秒 | 日記

前期後期制の本校はただいま秋休み中です。

昨日は進路指導部主催の研修で就労継続支援B型及び就労移行支援の施設見学へ行ってきました。本校の卒業生や実習先としてお世話になっている施設です。

平日だからこそ行ける価値ある研修機会です。

知的障害教育の目指すところは、生活に帰するという視点で、生活実態に即した生きる力の育成や社会に出て働く力の保障だと考えています。

今回の学びとして、就労継続支援B型の施設長さんや就労移行支援の理事長さんのお話を伺って思ったことは、障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に基づいて施設の相談支援として作成している利用者のための支援計画と、学校で教員個人が作成している個別の教育支援計画及び指導計画の連携の必要性でした。同じ相手のことを思って作成しているはずのものなのに、その一貫性が全くなされていないという現実を突きつけられました・・・。

実に危うい・・・、実に難しい問題であると・・・(校内でも小・中・高とその計画において一貫性が保たれていないし・・・)。

日本の障害児教育に対する行政上の問題(厚生労働省管轄から文部科学省管轄へと移行し、また、厚生労働省管轄へ戻るという流れの中で、情報が分断してしまっているという現状)。一教員にはどうすることもできない、政治上の話・・・。

卒業後の就労支援に携わる支援者の方々と、個人的につながって連携することはできても、それはあくまで個人的なつながりであって制度上、組織としての話ではないということ。

学校側の問題が大きいかな?と感じました。学校側が現在の時代の、社会の、要請に応じて変わらなければならないのではないかと強く思いました。一教員が個人的に個別の支援計画を作成している時代はもう終わりにして、他機関とのつながりの上に立って、複数の支援者と共に、多角的な視点から意見を取り入れて作成していく必要があるのではないかと思いました。キャリア教育の視点も教育課程上に位置づけて・・・。

学校評議員等の意見も取り入れながら、学校文化を発展させていかなければ、本当の意味で子どもたちのためにはならない存在になってしまうのではないかと・・・。知的障害教育においては、学校独自の文化が、かえって子どもたちの人生支援にとって、弊害となってしまうのではないかと・・・。

そんなことを考え、感じた、研修機会となりました。

                               畠山

 


シルバーウィーク

2015年09月23日 18時54分40秒 | 日記

5日間の内、3日間は日本特殊教育学会で仙台に行っていました。参加された先生方、大変お疲れ様でした。

何年かに一度の秋の連休ということもあり、新幹線のホームには、人、人、人。ものすごい数の人たちであふれかえっていました。

今回の学会では、質的研究について学びました。これまで、根拠ある指導を実践するために、そのエビデンスを示すことが必須と考え、応用行動分析の手法を用いて標的行動の変動をデータ化したり、統計処理を行ったりして、量的に根拠を示し、科研の報告書や学会発表等をしてきました。でも、量的研究だけが科学ではないということ。でも、例え、目の前にいるその子の行動の一部を切り取ったに過ぎないデータだと言われても、何かしらの方法で、自分がその子の人生に関わったことを示すことが求められるのであれば、僕は、下手でも量的に表すことしかできないかもしれないと改めて思いました。いつの日にか、偉大な先人の先生方のように質的な手法で表すことができるようになりたいとも思いました・・・。(その覚悟と能力があるだろうか???)

更新講習とは異なり、今年の学会では、次の学習指導要領の改訂に関する話題は、全くと言っていいほどありませんでした(残念)。

知的障害のある場合の教育課程における授業に関しては、PDCAサイクルに基づいた具体的な授業づくりの手法(実態把握の大切さや学習評価の在り方について、そしてそれらを踏まえた適切な目標設定など、そのPDCA)の提案が自主シンポジウムやポスター発表などで複数の研究グループからされていました。日々の自分の実践を反省しながら、明日からやってみたいと思うような情報を収集してきました。夕練で報告しようと思います。

学校の外へ出て学ぶことも、大きな収穫がありますね。今回の学会も大変勉強になりました。   (畠山)