Team埼玉 ブログ

自閉症教育と授業改善についての学習会

教科別の指導

2018年10月31日 00時46分18秒 | 日記

知的障害教育における教科別の指導とは?

知的障害の障害特性を踏まえると,決して有効な指導方法ではない教科別の指導が,今回の学習指導要領の改訂では強調されており,各教科と関連付けて指導すること,というように各教科の見方・考え方を踏まえて「深い学び」の実現を目指すように示されています。

近年,知的障害の特別支援学校において,個別の課題学習を教育課程に位置付けて授業を行っている学校が増えてきています。主に自立活動の内容として目と手の協応や弁別,分類,手指の操作性の向上など,教科学習の土台となる基礎学習に取り組んでいる指導内容もあれば,児童生徒の実態に応じて,国語や算数・数学の教科内容を取り扱っている授業もあります。教育課程上では,時間における自立活動の指導でもあり,まさに教科別の指導として位置付けている学校もあります。

しかし残念なことに,この教科別の指導において実際に行われているのが,漢字や足し算,引き算などのプリント学習です。持論として,プリント学習ができても生活に活用されるような生きて働く力となっていないことが散見され,知的障害児教育におけるプリント学習に意味があるのか?と問題視しています。

教科別の指導ではその教育効果があまり望めないとして,知的障害の特性を踏まえた各教科等を合わせた指導の形態で国語や算数・数学の教科を扱ってきたというのに・・・。生活に必要な題材を用い,体験を通して具体的に言葉や数を扱い,必然性に基づいて体得・習得するということ。だから,これまでの知的障害教育では,教科別の指導ではなく,合わせた指導の形態で教育実践が展開してきたということ。これらの歴史的な背景やその本質を知らずに,ただただ毎時間,プリント学習をして教員だけが満足して1年を過ごしていてはいけないと思うのです・・・。

知的障害教育において教科別の指導を行う際には,プリント学習ではなく,必然性に基づいた学習場面を設定し,具体物を操作することを通して,児童生徒が言葉や数を学ぶ意義を実感しながら体得・習得できるように指導計画を立案し,指導方法を工夫して授業づくりをしていってもらえればと思います。

そうすることが,これからの特別支援教育に求められている教師の専門性かもしれません。(畠山)


いろんな畑

2018年10月29日 07時26分42秒 | 日記

スタッフ会で、このブログの書き込みを活発にしようって話になりながらも、うっかり10月も終わろうとしているので、慌てて「たあいもない話」を書き込みしているところです。

 

さて…突然ですが、

日本シリーズ始まりましたね!

みなさんは、広島派?

それとも、ソフトバンク派?

かくいう私は、ここまで話しておいてなんなんですが、、、

「どーでもいーです!」

…というのも、西武ライオンズファンなんですよ…。

10年ぶりにパリーグ優勝したというのに、CSの残念感…思いっきり引きずっています。

まさに、獅子ロス…。

 

さて、プロ野球といえば、日本ハムの大嶋匠をご存知ですか?

話題のドラフトから7年目、つい先日、戦力外通告から引退となりました。

なんで話題だったかというと、彼は、大学のソフトボール部から、プロ野球の世界に入ったからです。

野球とソフトボール、似てはいますが、全然違います。

ボールが大きい、塁間が近い、上投げと下投げ、、、違いは細々とありますが、その細々した違いが、大きな違いなのです。

ルールは似ていても、戦術は全く違います。

ここまで熱く語る私も、実は、学生時代、ソフトボール部に所属していました。

…下手くそで、ず~っとベンチだったけどね。

さて、その大島選手は、強豪早稲田大学ソフトボール部出身で、突出した豪快なバッティングにより、近年稀に見る逸材として、ソフトボール界で大注目されていました。

ソフトボールは、プロさえ無いながらも、実業団やクラブチームは充実しているので、そのままソフトボールをやっていれば、進路も将来も安泰だったはずです。

それを蹴って、違う畑のプロ野球に挑戦したのです。

プロでの成績は振るわなかったものの、数年にわたり、プロ野球選手として存在したということは、かとても大きな功績だったと思います。

違う畑への挑戦により、その畑にどっぷり浸かって、新たな畑を堪能した数年間だったことでしょう。

 

さて、かくいう私も、実は、若い頃は別の畑へ…という道を考えていました。

採用は障害児教育を希望していましたが、数年経ったら中学校で、部活、生徒指導、技術の授業…を思い描いていました。

しかし、配属された養護学校で、いろんな子供たちと出会い、いろんな先輩方と出会い、その畑にどっぷり浸かっているうちに、現在、20年目のこの畑を堪能している次第です。

こんな実を実らせたい、こんな方法もある、あんな方法もある、試しにこれもやってみるか、、、将来を夢見ながら畑を耕すことは、とっても楽しいものです。

 

皆さんは、どのような思いでこの畑に辿り着き、どのような思いで畑を耕していますか?

実りの多い将来を目指して、一緒にガンバていきましょう!

(宮前)


知的障害について

2018年10月27日 01時08分20秒 | 日記

学習指導要領解説,各教科等編,P20,第4章第1節「知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科等の基本的な考え方」において,知的障害の特性を踏まえて,その困難性について示されています。

「概念スキルの困難性」,「社会的スキルの困難性」,「実用スキルの困難性」。

概念スキルについては,今回の改訂で示された「深い学び」にもつながる力となります。知的障害が有るからこそ難しい課題であると思います。

今回の改訂は教育対象の9割以上を占める通常教育における教育改革だと考えています。教育の平等性を踏まえて知的障害教育においても「深い学び」が求められていますが,現場感覚で言うと,その土台となる「生きて働く力」を身に付けることが最も求められていて,それらの習得・活用・探求があって,各教科の見方・考え方を通して「深い学び」につながっていくのかな?というイメージです。

今回の学習指導要領改訂において,通常教育に迎合するのではなく,これまでの知的障害において大事にしてきた本質を見失うことなく,目の前の子ども達がたくましく生きていくための教育実践をつくっていきたいと思います。

昨日の夕練では,来週にある他校の研修会の練習をさせていただきました。知的障害を伴う自閉症児の小1から中2までのキャリア発達も含めた自立活動の実践についての60分間でした。(畠山)


カリキュラム・マネジメントセミナー

2018年10月13日 21時22分20秒 | 日記

本日,古川勝也先生,徳永豊先生,一木薫先生が主催されている研修会に参加してきました。

中教審に関わられた先生方のお話をお聞きして,改めて今回の学習指導要領の改訂に関する大きな流れを確認するとともに,法的根拠に基づいて論じていく必要性について再確認することができました。

社会に開かれた教育課程,学びの連続性,育成を目指す三つの柱など,これらについて各学校は教育課程を編成する上で説明責任を果たさなければならない。そのためには学校教育法施行規則126条から129条に示された教育内容を大前提とし,特別な理由により難しい場合においてのみ,重複障害者等に関する教育課程の取扱い1~6が適用されるということを踏まえて一人一人の教員が教育課程について考えていかなければならないということ。

教育課程編成の大原則に従って,この国の公的な教育水準が確保されており,公教育を論じる上で本来,学校間格差があってはならないということ。就学や転学は学区によるため,子どもたちは学校を選べないのだから・・・。

これまでの知的障害教育における各教科等を合わせた指導も,今回の学習指導要領の改訂においては,各教科の目標の達成及び内容の習得のため,何と何の教科のどの内容を合わせたのかを明記する必要が求められているということ。

ものすごい情報量と質だったので,学んだことを振り返るために,興奮冷め止まぬまま水道橋から池袋まで1時間強,歩いてしまいました・・・。(畠山)


各教科等を合わせた指導

2018年10月07日 01時23分05秒 | 日記

本日,仕事で東京へ行く機会があり,その帰りに八重洲ブックセンターへ立ち寄りました。

新学習指導要領の流れとこれまでの知的障害教育の流れを,どのように整合性をつければよいのかというのが,今の自分の中での大きな課題で,そのための参考資料となりそうな書籍を手あたり次第選んでいたら,あっという間に大荷物になってしまいました…。「郵送しますか?」と聞かれたのだけれども,すぐに読みたくて持ち帰りの紙袋にしてもらいました…。

知的障害教育に関してはなんといっても生活中心主義に関する情報が必要です。知的障害が有るからこそ教科別の指導ではなく,各教科等(領域も含む,領域とは何だ???)を合わせた指導が生まれてきた歴史的な背景と必然性。教科と教科とを合わせた合科的な指導でなく,学校教育法施行規則130条の第2に示されている「各教科等を合わせた指導」。

これまで知的障害の障害特性を重んじて,目の前の子ども達の生きて働く力を身に付けるために生み出されてた指導方法が,横の学びの連続性の名のもと,何か大きく否定されているような感じになってきています。

けれども,時代の要請を受け止めつつも,やはり目の前の児童生徒はいるわけで,知的障害教育における学力とは何かを考えつつ,目の前の子ども達が18歳以降,社会人・職業人として,または自立と社会参加を実現するために,必要となる知識及び技能を習得し,どのような未知の状況でも対応できる思考力,判断力,表現力等を身に付け,それらを繰り返し積み重ねながら,各教科の見方・考え方を通して自分の人生へ反映していく深い学びとしていけるのかを考えて日々の授業づくりに取り組んでいかなければならないと思っています。そのためには,このような知的障害教育の重要性を,日本の教育の残りの97%へ発信していかなければならないと思う教員が,教育課程の編成,年間指導計画の作成,単元計画の作成,毎日の指導案の作成についてどうすればよいのかを考えて作成していくことが必要となっています。学習指導要領の各教科をどのように関連付けて「各教科等を合わせた指導」を示していけるのか。単元を理解しないままの「なんちゃって生単」ではなく,真の意味での単元計画を立案して教育実践していけるのか,そのことが問われてくるのだと思います。

そんなことを一教員として考えています…。(畠山)

 

 

 

 

 


楽しむべき

2018年10月04日 21時35分41秒 | 日記

こんにちは。

村浦です。画像は川口の「かねかつ」というラーメン屋さんです。年間100ラーメンを目指している村浦家ラーメンアワード2017で堂々の第1位を飾ったラーメン屋さんです。オーダーが入ってから製麺する麺はとても美味しいですよ!川口駅から歩いていけるので是非とも。その場で作るワンタンも絶品です。

最近になり、ようやくというか、ふと福祉は英語でwelfareというけど、その語源って何だろうと思ったので調べました。well(良き)fare(旅)なんですね。ここで言う旅は人生を指すみたいです。

じゃあ福祉はどういう意味の構成だ?となったところ福(幸せ)祉(神を止める=幸せ)みたいです。

 

どちらもとても良い意味ですね。 特別支援教育と福祉はとても密接です。幸せを追い求めることは誰しもに保障されていますしね。

話はかわり。先日、職場でアンガーマネジメントの任意研修をしました。怒るべきものには怒り、怒らなくても良いものには怒らないという心理教育です。教育現場以外でも使われることが増えましたね。学校によっては高等部で自立活動の時間の中でプログラム的に組み込むところもあるみたいです。

その研修の最後に「職場を良くする〜べき」を考えるというワークがありました。

色々な答えが出ました。

その中で1番気に入った言葉が「違いを楽しむべき」です。

特別支援に携わる身としてはマストに近い考えですよね。仕事として考える職場はもちろん、生きていく中でこの思考をみんなが持てれば共生社会はすぐそこにあるのでは!と思いました。

みんながみんなの幸せを考えて生きていける共生社会。

目指したいなぁ〜

最後に次回予告ですが。1月末に性教育についてで行う予定です。詳しい日時と場所については追って載せますのでよろしくお願いします。

村浦でした。