目指せ華麗な七十代!

旧mandalaflowerからタイトルを替えました。今から始まる七十代をより華麗に生きる覚悟です。

ゲッコーの話

2020-03-22 | 旅行

ゲッコー、と言って解る人ってそう多くはないかもしれませんね。

 

ゲッコーはヤモリの総称みたいになっていますが、

名前の由来はその鳴き声だと思っていました。

 

私が初めてヤモリに出会ったのはインドの安宿です。

初めての海外旅行、初めての一人旅、初めてのインド、

そして初めての荷物トラブル。

コレは旅の思い出で記事にしてありますが、カルカッタで降りたのは身一つで、

リュックに詰めた生活必要品はボンベイまで飛んでいってしまったのです。

仕方なく手荷物一つを持って過ごした初めてのインドの夜。

私を慰めてくれたのはヤモリでした。

じっさい、ヤモリに気づいたのも翌日なんですが、

その晩、緊張と不安と疲れで掛物ひとつなくただベッドに横たわってやすみました。

安宿ですから寝具はベッドと交換されたシーツだけです。

掛物は自前なので寝袋は持っていますがリュックと一緒にボンベイまで行ってます。

 

夜中に何度か目を覚ました時に、小さな生き物の鳴く声を聞きました。

きっとネズミがいるんだろう、

私はそう思いました。

何せ安宿ですもの。

ねずみくらいいてもおかしくない、と自分を納得させました。

でもね、それから二十年の時をかけ、何度もインドを旅したけれど一度として部屋でネズミに遭遇したことはありませんでした。

全く失礼な思い込みですよね。

安宿、という言葉のイメージがね。

なんでもありがちに思えてしまうのです、知らないから。

それから急に、手荷物の中にチーズとパンが入っているのを思い出しました。

機内食の残りをカバンに忍ばせておいたのです。

ネズミが居る、と考えたらそのチーズとパンが気になってしまい、

カバンの中にネズミが忍び込むんじゃなかろうかと心配になりました。

するとそれが気になってすっかり目が覚めてしまい、

ガバッと身を起こすとカバンの中から例のものを取り出し、

袋ごと部屋の隅にあったゴミ箱に投げ込みました。

自分の鞄の中で食べられるより、ゴミ箱から持っていってくれる方がまだマシ。

みたいな独りよがりの考えです。

すごい想像力ですよね。

思い込みでたちまち話を作り上げてしまいます。

初めての旅の夜、私はこんなことをしていたんです。

 

翌朝、初めて外国の街に一歩を踏み出す前に、

ドアを開けるとボーイが立っていて、

グッドモーニング、と挨拶してきました。

とても人懐っこい笑顔です。

私が出かけようとすると隅のゴミ箱を見て、あ、ゴミがありますね、片付けましょうと中を確認しました。

そして、私が夜中に投げ込んだパンとチーズを見つけると

めちゃくちゃうれしそうなかおをして、

これ、もらってもいいですか?

と云うのでどうぞどうぞと差し上げました。

本当に嬉しそうだったインドのお兄さんの顔覚えてますわ。

どうもネズミはかじっていなかったようです。

 

 

翌日はじめてカルカッタの街に足を踏み出しびっくりするようなハプニングを経験した後、

宿の薄暗い蛍光灯の明かりの下、ベッドに横たわっていると

また、昨日ネズミと思ったあの声が聞こえました。

キュ、キュ、キュキュっと鳴いています。

目を凝らして音のする方を見ると、薄い青緑色に塗られた壁の表面に一匹のヤモリが張り付いていました。

わ、トカゲ。

最初そう思いました。

でもよく見るとトカゲというよりヤモリだと、すぐに理解しました。

イモリに似ていたからね。

水に中に生息するイモリは知っていたけれどヤモリはその時初めてみたのです。

しばらくそのヤモリを観察しているとジッと壁に張り付いていると思うと、

素早く動いて薄明るい電灯にフラフラと集まってくる羽虫をパクっと食べるのです。

その姿は案外と愛嬌があって可愛らしい物でした。

それに観察の結果、この生き物が自分に一ミリの興味も示さないことがわかりました。

この生き物が部屋に住んでいても何も問題ないようです。

私にいかなる危害も与えそうにありません。

すっかり安心した私はヤモリを観察しながら夜を過ごしました。

以来ヤモリは味方という認識を持っています。

モスキートも食べてくれるからね。

 

その後しばらくは私の旅行もアメリカ方面に変わったので五年ほどヤモリに出くわすことはありませんでした。

 

が、またインドへ行き、家人と出会ってからは毎年タイで過ごすようになるのです。

インド、タイはヤモリがいっぱいです。

特にタイは南の島に滞在するのでバンガローにはヤモリがつきものでした。

 

その頃からでしょうか、ヤモリをゲッコーと呼ぶようになりました。

旅行者の欧米人がそう呼んでいたからです。

ヤモリでも家の中部屋の中に入ってくる小さいのは別として

タイにはゲッコー、ゲッコーと鳴く三十センチくらいの大きのがいてどうもそれが

ゲッコーの呼び名につながっているのではないかと思うのです。

鬱蒼とした木の中などに住んでいて夕方になるとその声を響かせますが、

七回続けて鳴くとラッキーが来るという話を聞いてからは、ゲッコーが鳴きだすと数を数えたものでした。

 

ゲッコーはマレーシアからインドネシアまで東南アジアの国に多く生息していますが、

ある日、タイの少女と仲良くなってゲッコーの話になった時、

彼女にはゲッコーが通じませんでした。

 

ホラ、七回鳴き声を聞くとラッキーって言うじゃない、と言っても理解できないのです。

 

その時丁度タイミングよくゲッコーが大きな声で鳴き出しました。

ああ、コレよコレ、ゲッコーゲッコーって言ってるじゃない、という私に彼女はこう言うのです。

なんだトップケーのこと言ってるの?

あれはトップケー、トップケーと鳴いているんだよ、と言って鳴き真似を披露してくれました。

聞けばそっちの方が本物に近い音のような気がします。

そうか、犬の鳴き声が日本ではワンワンなのにアメリカではバウワウって言うように、

タイ人にはゲッコーではなくトップケーと聞こえるらしい。

そうなんだ、

じゃあゲッコーは誰が言い出した名前なんでしょう。

多分現地の人ではない気がします。

部屋の中で蚊を捕食する小さいヤモリはなんと呼ぶのか聞いてみました。

すると彼女は言いました。

ああ、あれね、あれはチンチョって言うんだよ。

ほらチ、チ、チ、チ、チンチョって鳴くでしょ。

そうかそういえばそんな風に鳴いています。

トップケーに、チンチョ。

ローカルっぽくていいですね。

以来わたしはトップケーはトップケー、チンチョはチンチョと呼んでいます。

ゲッコーしかわからない人にはゲッコー。

 

しかしネットで調べてみるとヤモリ全体がゲッコーとして分類されているようですね。

ゲッコーもたくさん種類があるのでビックリしました。

二十年以上毎年冬はタイの南の島で過ごしていたのでゲッコーとの遭遇は

いっぱい経験しています。

天井から落ちてきたこともありました。

吸盤のついた足でキュと掴まれたり、羽虫をバクバク食べる姿を見せてもらったり、

そりゃ可愛い姿です。

でも育てたことがあるわけじゃないのです。

赤ちゃんのチンチョなんて本当に可愛い物ですよ、マッチ棒みたいに細くて小さいチンチョが

壁にくっついて生意気にも蚊を捕まえようとする姿なんて

幼稚園児を見ているようで本当に可愛いのです。

我が家では蜘蛛とかカメムシとかの生き物がいますが、

ヤモリがいたらいいなって思います。

蜘蛛よりチンチョの方が可愛いし、動きが限られているんじゃないかな。

蜘蛛だって益虫ですが見た目がちょっとね。

触ろうという気にはなりません。

でもチンチョは可愛いのです。

 

長い思い出話になりました。

ゲッコーが可愛いと思う理由を述べてみました。

決して自分で買って育てたことはございませんが、

その生態に近い暮らしを経験した事から、ゲッコーに対してはとても親近感を持っているということです。

 

可愛いですよ、トップケーもチンチョもね。

 

以前はバンコクでもトップケーの声が聞こえたものですが今は多分

無いだろうな。

二十数年毎年訪れてバンコクの変遷を見続けてきました。

高層ビルが立ち並ぶ前の古き良きバンコック。

全てが懐かしい思い出です☆

 

 

 

 

 

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薪作り

2020-03-22 | 仕事

昨日は汗ばむくらいの陽気でした。

そんな中私は用事で出かけ桜見物なんかしている間、

家人とおじさん天使で薪作りをしてくれました。

今朝見たらきれいに積んでありました。

 

コレはこの前に切った家の周りの雑木です。

クルミが多いかな。

こっちは一昨日運んだ杉材とクルミ。

 

スギ材はパワーはないけど火がつきやすく、

その上家みたいにストーブの扉を開けて焚火感覚で燃やす時に

ハゼなくていいのです。

 

栗とかは火力があるけどバチバチと

火の粉が飛んでくるので扉を開けたままでは危なくてダメ。

 

薪も材によって使い方を考えます。

うんと寒い時といまのように中途半端に寒いときでは燃やす薪も変えるのです。

その辺りの勘考も薪ストーブの面白さですよね。

 

こちらはみんな来季用の薪。

早め早めに薪を用意出来ると心配なしです。

 

二年前はもうお別れかと思った家人が薪割りができるまで回復しました。

太い木は斧で割ってあり、そんなことまでできるようになったかと思うと感慨深いものです。

 

感謝感謝の毎日よ☆

 

薪割りの疲労でパンパンになった腕と肩、しっかり揉んであげました。

 

 

 

 

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美しい苔

2020-03-22 | 日記

おはようございます😃

 

天気は曇り。

 

東の山が霞んでいます。

 

最近家人は苔に夢中。

 

苔ガーデンを作りたいと言い出して、暇を見つけては山に入り苔を集めています。

こんな風にくるみの気の周りにおいて楽しんでますね。

苔ってよく見ると本当にいろんな種類があってびっくりです。

モザイクみたいに並べてとても綺麗。

 

でもいつまでキープできるのでしょう。

 

それは考えずにいまは苔を貼る作業に夢中のようです。

 

楽しみはいつもそこにある☆

 

 

 

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