読書
雨降りだったので久しぶりに本を読みました。
Eブックです。
ネットで読書は二、三回目かな。
あまり経験がありません。
読んだのは太宰治です。
日本の映画を見たいと思って検索していたら太宰の小説を映画化したものが出てきました。
太宰の小説は何度か読んだことがありますが、
そのストーリーを思い出せませんでした。
私は大の芥川龍之介ファンです。
太宰と芥川はよく一緒に語られることがありますよね。
時代的に近いのと自殺したという共通点で一括りにされているような気がします。
お気に入りの芥川の話は何度も読んですっかり覚えている話もあるのに、
太宰の小説は私の中であまり記憶に残っていません。
走れメロスだけは話のあらすじを思い出せますが後は記憶の彼方でした。
それで久しぶりに読んでみようと思いたったのは
濃い霧が一日中家の周りを取り巻いて
非日常の景色の中に包み込まれていたからでしょうか。
読んだのは人間失格。
読み始めてすぐに話を思い出しました。
それは何度か読んだことのある話でした。
もちろん細かいところは忘れていたので
同じ話を読み返しても十分楽しめましたが、
冒頭の駅舎の話は全く覚えていませんでした。
主人公の私は鉄道の駅舎が跨線橋になっているのを見て、
西洋の遊技場のようにわざとそういうデザインにしてお客を喜ばせていると思い込んでいて、
それが線路を跨ぐために作られていることを知ると
駅舎のことが途端につまらなく思えた、と書いています。
自分がどんな人間かを紹介する為に書かれた話の一つです。
私の見解ではたぶん、
主人公は思い込みの激しい性格で、
現実が自分の思ったことと違うとすっかり興味をなくしてしまうようです。
それどころか常に他者を意識してそれを気にして生きています。
彼の父親との逸話を読むと父親も又思い込みの強い人物であることがわかります。
お土産のシーンでそれを感じました。
もちろん生まれ落ちたその家の事情などもあって性格が形成されていくわけですが、
この主人公は本当に変わっていました。
だから小説として面白いのでしょうね。
最近ほとんど本を読むことがありません。
久しぶりに読書をして、
確かに太宰の筆の力は凄いよな、と思ったけど、
話の後に残る感動は複雑で、
モヤモヤとした人間の不可解な心理に触れてため息するばかり、といった印象です。
それにしても太宰治。
驚くほどたくさんの本を出していますね。
全部読んでみるのも面白い試みかもしれません。
そうすれば少しは彼の生き様が理解できるのかもしれません☆
久々に読書、異次元へ旅してきたような気分でした。
あの時代の日本人と現代人とではやはり捉えきれない違いがあるのを感じます。
読書ってたまには良いですね☆