秋の星空はさびしいとよく言われる。明るい星が少ないせいなのだが、星図を見ると星雲や星団はずいぶん沢山ある。その中で今日はカシオペア座にあるNGC281という散光星雲を狙うことにした。
この星雲はまゆ星雲やオメガ星雲などと同じ、星のゆりかごのひとつだ。誰が付けたのか「パックマン星雲」の愛称を持っている。昔はやったゲーム、パックマンの形に似ていることから付いた名だ。しかし、口径200ミリの望遠鏡で、カメラ感度2500露出7分程度ではまだまだパックマンには見えない。地球からの距離は9500光年。前に撮影したまゆ星雲の倍近い距離だが、結構大きく写る。ただ、撮影システムのネジがあちこち緩んだのか、最近どうも星が流れる。15分露出の画像は悲惨だった。
それともう一つ。以前にも愚痴をこぼした事があるが、みかんの丘の上は沢山の定期航空路が交差している。だから、空のどこかにいつも飛行機の明かりが見え、エンジン音も途切れなくと言っていいくらい聞こえる。この夜もこんな記念写真を撮ることが出来た。
本当に、何も星雲のど真ん中を通ることは無いと思う。ただ、この写真、図らずも「周辺減光」の様子が良く読み取れる。飛行機の航跡は元々同じ明るさのはずだから、望遠鏡の筒やカメラのケースが端に行くほど光を隠す様子を知ることが出来る。