冬の大三角のうち、おおいぬ座のシリウスと小犬座のプロキオンを結ぶ線のほぼ中間あたりに、双眼鏡でもぼんやりと見える光の固まりが有る。いっかくじゅう座の散開星団M50だ。地球からの距離は3300光年。望遠鏡で見ると、満月の半分くらいの領域に無数の光の粒が輝いて美しい。
望遠鏡の口径が大きくなればなるほどその星の数が増して豪華だと、昔の天文学者たちは絶賛した。確かにそうなのだが、写真に撮ってみると星団そのものが天の川に埋もれてはっきりと分からない。また、今夜のように空全体が薄いベールを掛けたようだと、奥に有る薄ぼんやりとした星の群れが、画像処理の段階で埋もれてしまう。アルビレオもそうだったが、カメラの中に光を蓄積することで浮き出てくる淡い星雲と違って形のはっきりした星団や惑星などは、やはり「眼視」と呼ぶ肉眼観測のほうがより良く見えるのかも知れない。