宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

立待月

2015年05月07日 00時01分23秒 | 

霞の多い空に左程期待はしていなかったが、それでもせっかくカメラを持って来ている。何か星を撮って帰らなければまた欲求不満が募る。そこで今夜は月を撮ることにした。

大工仕事をしながら夕暮れを待ち、辺りが暗くなってから竹取庵の屋根を開いた。黄昏の空に春の星座がまばらに見える。パソコンを開いて星空のシミュレーターを立ち上げると、今夜の月齢は十七だ。
前にも書いたが、昔の人の月の呼び名は素晴らしい。日暮れとともに東の空に現れる月は、新月から数えて十五夜。次の夜の月は1時間近く遅れて昇る十六夜。ためらいながら昇ってくるというので「いざよい」。その次の夜の月はさらに一時間遅れるが、これならまあ立って待てる時間という事で「立待月」。次の夜は立って待っていると疲れるから座って待とうという事で「居待ち月」という具合だ。


月齢17の立待月を三脚を構えて待っていると、東南東の山の端が次第に明るくなって、少し欠けた月がゆるりゆるりと昇って来た。今夜は大きいカメラしか持って来ていない。ワイドレンズで撮影した後、あわてて300ミリの望遠に付け替え、木々の間を昇る様を狙う。

黄砂のせいだろうか、空も月もみんな茶褐色だ。いつからこんな空になってしまったんだろう。子供のころ5月の空は澄み渡っていたと思うのだが。

そんなことを考えながらふとパソコンのモニターに目をやると、月のすぐ下に明るい星がくっついているのに気付いた。カーソルをあてると土星の名が浮かび上がる。そうか、今夜は月の女神が農耕神とランデブーする夜なのだ。月が昇るのをしばらく待って、黄砂のベールの向こうにようやく土星を見つけた。

この時点で月と土星の角度は約2.5度。これが5時間後には半分の1度ちょっとまで近づくというが、そこまでは待てないか。それでも久しぶりに土星を撮ってみよう。カメラからレンズを外して8センチの望遠鏡に取り付けてみた。

コメント (1)
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