空には相変わらず薄い靄がかかっていた。それでも、黄昏が失われ月が明るさを落とすに連れて星がはっきりし始める。西の空で天の川がぼんやりと浮かび上がった。小さいほうのカメラに付けた対角線魚眼で、天の川と月の両方を狙う。目では判りづらいが、撮影してみるとそこここに薄雲が確認できた。街明かりを反射して薄茶色に染まる雲に対して、天の川はあくまでも白く青い。この画角で月の赤銅色を写し撮れないかと露出を落としてみたが、月を赤く写すと星は全く写らない。僕の目には十円玉のような月と天の川が両方見えるのに。人の目の性能の良さに改めて感心した。
月の赤色を見ていてふと思いついた。そうだ。外に出てこの月と一緒に竹取庵を撮ってみよう。小さいカメラのレンズを普通のズームに付け替えて外に出た。
ドアに輝くステンドグラスの月と、その上に掛かる月食の月。なんだか現実離れした不思議な光景だ。思い付いて少し近づき、月と望遠鏡にズームしてみた。
寄るとさらに現実感が無い。まるでジオラマの空だ。3年前、月食の夜は月から不思議が降ってくると書いたが、今改めてそれを実感する。何故自分がここに立っているのか、それさえ不思議に思えてきた。
行きたいな(^m^)
トトロでも入れてもらえる?
感動します!
竹取庵と真っ赤な月は、まるで、おとぎの世界です。
本当に、不思議な光景ですね。
夢の月だ。
本当にそのままの光景。だから不思議なんです。
ふふふ