そうだ、今夜はアンドロメダを撮ってみよう。
初めの計画は全部白紙に戻してお隣りの銀河を狙うことにした。とは言え、アンドロメダ銀河は以前撮影している。それ以降機材が新しくなったわけでも条件が変わった訳でも無い。どうしよう。まあ、思い立ったのだし、機材のテストのつもりでやってみることにしよう。
1階の居間に下ろしていた8センチの屈折を持って上がって赤道儀に取り付け、20センチ反射にカメラを繋いでバランスを取る。バランスウェイトの軸がすっかり錆びていた。可愛そうに。観測デッキは隙間だらけ。強い海風が吹けば潮気が中まで入ってくる。それをもう何年もメンテナンス無しで使っているのだ。ごめんね。もう少し暇が出来たらチューニングする。
8センチにガイド星を導入して自動ガイドに入ろうとしたが赤道儀が言う事を聞かない。接続を確認したうえ、コネクターを差し直して再起動。今度は動く。潮風が赤道儀内の回路まで侵入して結線を侵しているようだ。やれやれ。
騙しながら撮影したが、パソコンのモニター上でもガイド星が暴れる。仕上がった写真は案の定、星像がぽってり膨らんでいた。仕方無いか。上出来とは言えないが、これが今夜のアンドロメダ星雲。次第に僕らに近づいている巨大銀河だ。そのスピードは毎秒122キロだという。今この銀河との距離はおよそ239万光年で、衝突は50億年後。衝突とはいっても、軽トラックにダンプがぶつかってくるようなものだ。優劣ははっきりしている。しかも、衝突のかなり前から、想像を絶する引力で僕らの天の川銀河は形を変えられてしまう。太陽の周りで星が次々に生まれ始め、仮に地球が形を保っていたとしても、出来たばかりの星が放つビームに地上は焼き尽くされるだろう。それとも先に年老いた太陽に飲み込まれるかな。
ふふふ、ノストラダムスも想像しなかった終末がやがてやって来る。それは西暦5000万世紀への大予言だ。ただ、この予言はけっして外れない。
友人とのメールの中で、ふとそんなにきれいな数字になるのだろうかという疑問がわき、改めて計算してみました。このままのスピードだと、衝突するのは正確には58億7297万4000年後です。ただ、接近するとスピードが上がるので、やっぱり50億年あまりで衝突しそうです。
失礼、お許しを!
この画像、頼りない携帯画面でも綺麗に見えます。
ちょっとルール違反
ふふふ
読んだら消してね。