脚立を下りて考えた。いったい何ミリ繰り出せれば良いのだろう。とりあえずアダプターをロックしている2インチスリーブを1センチ抜き出してみた。少しぐらつくが光軸のずれは画像をながめながら手で修正しよう。
そうこうしているうちにやや大きめの晴れ間がやってきた。煌々たる十七夜が全身を現わす。望遠鏡を月に向け、改めてピント出しを行った。木星と違って今度は明るくて大きい。20分ほどで大体のピント位置を掴んだが、欠けた所のほとんど無い今夜の月だ。クレーターが確認できるのは危機の海から豊かの海にかけての狭い領域しか無かった。続けて何枚か撮影。これはそのうちの1枚、ベタヴィウスのクレーター付近だ。機材が不完全だった事も有り、きっちりとピントを追い込めなかったが、まあ、思い立って始めた大型アイピースによる拡大撮影の実験はとりあえずは成功と言う事にしておこう。
それにしても、この実験の途中、月面がまるで焚火であぶった様にゆらゆらと揺らめく事が何度も有った。初めは上空の気流の乱れだと思ったが、やがてそれが自分の手から出る熱である事が分かった。かぐや姫はトラス構造だ。だから近くに熱源が有ると影響が避けられない。かと言って手持ちで撮影する方法では、自分と言う発熱体を遠ざける事は出来ないし、また新たな課題が見つかってしまった。
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