いくら待っても青空は来そうにない。このままでは丘の桜が散ってしまう。そこで昨日の日曜日、無理をしておばさんたちを誘って竹取庵の前で恒例のお花見をした。丘の桜は二種類。このうち先に開いた白っぽいほうはすでに散りかけていた。いつも車を止める場所にテーブルを置いて呼びに行くと、おばさんは娘さんと一緒にやって来た。今年95歳。ずいぶん前から足を傷めていて本当はここまで登るのもやっとだった。
それでも今年花見が出来るのを歓んでいる。「もうこねえ生きんでもええのに。」とはいつも聞く口癖だ。ただ、おばさんにとってこの冬は本当にきつかったようだ。それだけに冬を超えられたのは家族にとっても喜びだった。僕も嬉しい。丘の番犬太郎も今年18歳。人間で言えば90歳をとっくに超えている。おばさんと同い年だ。
もうあまり耳が聞こえない。目も良く見えていない。以前は僕が大工仕事をしていると、まるで元の主人のおじさんを懐かしがるようにそばにぴったりついていたが、この頃は丘をパトロールするのがやっとだ。「一緒に行くんじゃ。」と、おばさんはよく口にする。本当にそうかもしれないと思う。「ペット」とか「飼い犬」とか言う言葉にはどうしても違和感を覚える。共に暮らす仲間。どちらが偉い訳でもない。支え合って生きる命だ。
竹取庵の西で枝を広げるもう2本の桜は花の色が紅。やや遅れて花を付け、今は三分咲きになっている。これも来週には満開になるだろう。みかんもそろそろ新芽を吹き始めた。丘の季節はかなり足早に初夏への坂を登っている。
ただ、空はなかなか晴れてくれない。星の写真はいつになったら撮れるんだろう。まあ、仕事も目白押しで夜中まで観測デッキでゆっくりするのは難しいのも事実だが。
ところで、ずっと前にも書いたが、丘のウグイスは本当に歌が下手だ。「ホーホケキョ」などと鳴く奴は一羽もいない。「ほー、ちゅうしょうきぎょう」「えー、もがじしお」と、分かって言っているだろうと思いたくなるような鳴き方だ。この日たまたま捉えたのはこれ。https://youtu.be/NSKa1F38WV4
僕には「フォト美女」としか聞こえない。
宇宙(そら)に続く丘ホームページ :http://taketorian.org/
桜を見て切なくなるのは、歳を取った証拠だな…、なんて。
おばさんも太郎も、まだまだ元気でいて欲しい。
それにしても、95歳で丘を登るって、凄いと思う!
その間、しっぽなさんにも僕にもいろんなことが有りました。しっぽなさんは当時興味の無かったはずの写真を始め、一眼レフのカメラも持ちましたね。
おばさんは95歳。確かに動くのも辛そうですが、それでもしゃんとしています。
しっぽなさん、おばさんの年まではまだまだですよ。
ふふふ。