先日電池交換でご来店いただいたお客様との会話。
30代後半~40代前半くらいの女性のお客様。
お客様「先日買ったばかりの時計なんですけど、電池交換お願いできますか?」
!?
店主「買ったばかりで?まだ動いてますけど、電池交換されます?」
お客様「お店の人に『すぐ切れるモニター電池が入っている』と言われたんで」
「すぐ切れるモニター電池」という電池はこの世の中に存在しません。
モニター電池とは生産工場で時計が作られた際、正常に作動するか電池を入れます。
その電池をモニター電池と言い、普通の電池と何ら変わりはありません。
電池寿命は一般的な時計で約2年ほどです。
なので、その時計がいつ作られたのかによって電池の残量が変わってくる訳です。
例えば先週生産工場から出荷されて店頭に並んだものであれば丸々2年位持ちますが、なかなか売れずに店頭に1年半ほど在庫として並んでいたのを買ったのであれば、購入後半年ほどで電池が切れてしまうことになります。
そういうケースは多々ありますし、なかなか売れないモデルなんかは店頭で電池切れを起こしている場合もありますからねぇ。
販売員はいつ切れるか分からないのでとりあえず「モニター電池が入っていますので」と先に
エクスキューズを言うわけです。
良心的なお店なら「購入後1年以内に電池が切れたら新しい電池に入れ替えます」等のサービスがありますが、そういうサービスがない場合は電池交換料金は購入者の負担になります。
が、そこで「おい!買ってすぐ電池が切れたやないかい!」と怒ってはいけません。
貴方が買った時計の代金に電池代は含まれていないからです。
貴方は時計本体のみの代金を支払っているだけで、最初に入っている電池は時計メーカーがついでに入れてくれたオマケなんです。
それはさておき、先のお客様にモニター電池の説明をして
店主「お近くにお住まいでしたら、電池が切れてから来られた方が良いんじゃないかと...」
お客様「ええ、そうなんですけど、娘が受験で試験会場に着けて行くので万が一試験の途中に止まってしまったらダメなので...」
!!
店主「換えときましょう! すぐ交換します!」
娘さん、試験の手ごたえは如何だったでしょう。
腕時計修理専門店トゥールビヨンは全ての受験生を非公式で応援しています。
では、修理品のご紹介。
こちら↓
SEIKO プロスペックス マリンマスター Ref.8L55-00B0 1000m防水 自動巻き
東大阪市在住のA様所有。
分解掃除、精度調整、ランニングテスト、耐磁テスト、パッキン交換、防水検査、ケース・ブレス洗浄を行いました。
セイコーサービス修理となりました。
1965年に国産初のダイバーウォッチを発売した歴史を持つSEIKOのプロフェッショナルダイバーウォッチ「マリーンマスター」。
国産ダイバーズウォッチ誕生50周年を記念した世界500本限定モデルです。
裏ブタにはシリアルナンバーが刻印されています。
A様大事にお使いくださいませ。
「すぐ切れるモニター電池」の“すぐ切れる”は別に言わないでもいいんじゃないかと思ったりする腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
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