コムスンの不正受給の件は、そんなに詳しく追いかけているわけではないので、正確なことはわからない。
ただ、この問題を取り上げたブログなどを見ていると、これも、医療崩壊と同根である、というものが見られる。
(時間がないのでソース省略。検索ドゾ)
すなわち、介護保険から介護事業者に支払われる金では、ペイするのが難しい、ということだ。
そして、超高齢化社会となり、介護需要は増えるが、ペイしようがない制度なので、サービスの競争も起こりようがない、と。
一説には、コムスンの親会社のグッドウィルグループ(GWG)は、はこの問題が発覚する前から、介護事業の売却を考えていたのではないか、とのこと。
その真偽はさておき、介護保険法と同時に堂々と名乗りを上げて参入した事業者が、最悪の形で撤退することには違いない。
さて、問題なのは、介護・福祉の需要は強まるが、国による負担は医療と同じく減額され続ける、ということだ。
ということは、今後は介護事業者自体が居なくなってしまう可能性もある。
そうなれば、お金持ちだけが安心した老後を送れ、あとは野戦病院死屍累々、ということになる。
とはいえ、例えば以前読んだ「歴代首相の経済政策全データ」によれば、老人医療の無料化は、当時拡大していた日本経済のインフレ抑制策として、余剰キャッシュフローを吸収させる意図をもって始まったとある(田中内閣だったか?失念)。
であれば、低成長時代になってまで、そのようなことは出来ない、というのは明白である。
つまり、何らかの方法で、医療・介護に要する費用を、誰かが負担しなければならない。
GWGは介護事業に成長性があると見て参入したのだと思うが、実際には先細りの厳しいものであった。
ということは、これを維持するには、企業的「成長性」の観点では難しいことになる。
ぎりぎり採算が取れるならどうか?となると、営利企業としては「あってもよいが、なくてもよい」という、不安定な部門と位置づけられる。
介護事業自体に意義・価値を見出して、利潤を生むとまではいかないレベルでやるのなら、これは社会福祉法人等が行う形態になる。
(もっとも、ボランティアや労働基準法違反の過重労働により支えられるようではいけない)
ありきたりだが、理想的なのは、社会福祉法人やNPOといった非営利団体がこれらの事業を担い、企業はこれらの団体に寄附を行うことによって協力する、という形ではないか、と思う。
いまの日本は、アメリカの意向で、企業の成長性・株主優先の経済へと邁進している。であれば、そのようにして得た富の一部をこれら福祉部門に寄附の形で回すことに、何らかの付加価値を与え、これを促すしかないだろう。たとえばそれは、寄附にかかる課税免除などの拡充である。単純な減税ではなく、こういう形の条件付減税なら、もうすこし富の再分配に資するのではないか。
もっとも、これは前政権から続く「市場化加速」とは異なる動きになるので、いまのままなら、選択肢に上らないんだろうな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます