昼行灯(だった)トキの大雑把なひとりごと

クレヨンしんちゃんよりもユルく生きていた(当面過去系)私の備忘録と、大雑把なひとりごと。時々細かく語ることも。

続・過去に向く視線

2019-02-23 01:18:07 | Weblog
富田靖子の曲、全部聴いたことがあるわけではないのですが、知る限りのシングル曲は、どれも良いです。
このへんは事務所(アミューズ)の強みなのでしょうか。

前々回、1stアルバム「みつめてください」から「林檎雨」をレビューしましたが、収録曲で一番好きなのは「恋のヒロイン」です。
「古いカセドラルの窓 蔦に覆われてた壁 不思議なくらいに黄昏 高台の教会で祈ったの」
この西洋感。
「シスター教えて 恋とは何か 震える予感は ああ分からない」
このカトリック感。

カトリック系幼稚園に通った身としては、何かこう格別に来るものがあります。
切なさを豊かに表現した名曲です。

詞は秋元康。「林檎雨」は松本隆でしたが、秋元詞が多いアルバムです。
乃木坂に似合いそうというのもむべなるかな。とにかくまあ、今も昔も、秋元康の歌詞が表現する「(男が妄想する)ミドルティーン女子」感は凄い。
女性がどう感じるのか全く分からないですけど、男にとってリアル感のある表現がなされていると思います。

5曲目のアルバムバージョン「オレンジ色の絵葉書」。やはりシングル盤の方が好きですね。何せ原体験ですから。
スピード感のあるキャッチーなイントロから、疾走するように続くメロディ。
対するアルバムバージョンは、やや寂しげで静かな入りから、重厚なストリングスが奏でられ、シングル盤に比べややスローテンポに振った(と感じる)、全体的にミドル調のアレンジが施されています。大人しいというか。
この曲と10曲目「夜空のララバイ」の作曲は柴矢俊彦。どちらもマイナー調で疾走感のある、格好いい、でも女の子らしい可愛さを兼ね備えた曲です。
思春期特有の、溢れ出すような、言葉にならない感情の動きみたいなものが、上手に表現されていると感じます。
方向性は違うけれど、川本真琴に通じるような部分でしょうか。

7曲目「秋めいて」も、可愛く纏め上げられた良作。「黄昏が校舎を染めて野球部の練習急かす ポプラの影まで傾くのが分かる 水のないプールの傍の金網にもたれるように 友達待ってた時に 発見したの」。みんなに共通するようなノスタルジックな風景描写が秀逸です。これも詞は秋元康。

しばし、過去に耽溺していたいです。このアルバムをリアルタイムで聴いていたのは、正に中学生時代。戻りたい時期ではないけれど、あの頃の感覚、思い出には、つい感傷的になってしまいます。
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