２０２４ Ｇ１ ＮＨＫマイルＣ 回顧録

東京競馬場で行われた第29回NHKマイルカップ(3歳・牡牝・GI・芝1600m)は、好スタートを決めて好位につけ、直線で満を持して抜け出した川田将雅騎手騎乗の2番人気ジャンタルマンタル(牡3、栗東・高野友和厩舎)が、直線で進路取りに苦しんだものの最内に入って追い上げた1番人気アスコリピチェーノ(牝3、美浦・黒岩陽一厩舎)に2.1/2馬身差をつけ優勝した。勝ちタイムは1分32秒4(良)。

△ジャンタルマンタルが3歳マイル王の座を手にしてＧ１、2勝目を勝ち得ました。調教の動きはイマイチに見えましたが、レコード駆けの皐月賞の反動を加味した強い調教はいらないと判断した調教師の素晴らしい判断でした。御見それいたしました。ただ、こういう調教をされると、判断に困ります・・。本当に、順調なのか？、状態が下降しているのか？判断に困ります。この馬は、実績、実力ともにこの世代トップということもあり、印を回せましたが、まぁ、そのレベルの馬だからこその調教だったということでしょうね。

皐月賞で、２０００ｍ以上では、この世代では、トップに立てないとの判断が正解でした。時計勝負にも対応できましたし、今後も、マイル路線なら、コースを問わず、活躍できると思われます。流石に、安田記念という訳にはいかないでしょうが、秋のマイルＣＳでは好勝負必至でしょうね。欲をかいて天皇賞・秋ということもあるかもしれませんが・・・。

2着に◎アスコリピチェーノ。これは、正直、残念な結果です。少し強引な競馬になりましたが、ルメール騎手にしては、珍しい乗りヘグリです。というか、やはり、骨折明けでまだ万全という仕上がりでもなかったのか？、レース感が戻り切ってなかったのかなぁ・・。久しぶりにアスコリピチェーノに騎乗したということもあったのでしょうが、予想でも書いていた心配していたことが現実に起こってしまいました。。ボンドガールとキャプテンシーの脚が上がったところに突っ込んでいってしまいました・・。レース後のコメント待ちですが、決して、力負けではないと思うので、ただ、この馬に関しては、「運がない」としか言いようがありませんね・・。この馬も、マイルＧ１連続2着と実力は示していますから、秋に仕切り直して、再度、ジャンタルマンタルとの再戦希望です。

やはり、この2頭は、レベルの高い世代トップのクラシック路線で好走していた馬なので、能力は抜けていましたね。

3着に×ロジリオン。これも予想に書いた通り、前走よりすべてが好転した結果の3着。前走のファルコンＳは。三浦騎手の乗りヘグリだったので、乗り替わりの戸崎騎手がウマく導いてくれました。東京コースでは戸崎騎手は信頼度がありますからね。先週の天皇賞・春の勝ち馬テーオーロイヤル同様、リオンディーズ産駒。「血の勢い」を感じる結果です。まぁ、よくこういうことはあるので、そのあたりも感じていて5番手評価だったんですが、好走してくれました。東京コースでは連対率１００％。１４００ｍでの好走だったので、このレースには適性がありましたからね。ただ、上の2頭には、まだまだその実力は及ばないと思うので、今後の成長に期待しつつ、Ｇ２辺りで狙うのがいいかもしれませんね。

〇ボンドガールも、先行馬には厳しいレースなりましたが、不利もあり、不完全燃焼。もう少し、やれるはずで、今回は、運がなかったということでしょうか。ダイワメジャー産駒で期待したのですが、好走するダイワメジャー産駒は母系が欧州型ノーザンダンサー系の馬が多く、アスコリピチェーノもそれに該当。こちらは、米国型のスピード型だったので、最後、脚が上がってみえたのはそのあたりが影響したのかもしれませんね。

▲シュトラウスには期待したのですが、出遅れ気味のスタートから最高峰で折り合いをつけるのが精いっぱい。やはり、短期間では、気性というものは成長しないものなんですね・・。この馬に関しては、素質は1級品なものは感じていたのですが、それを御せないところがあるみたいですね。セン馬になると能力を発揮できるのかもしれませんな・・。あと、やはり、このレース、父ロベルト系は走らないのかなぁ・・新時代を期待しましたが残念な結果でした。

☆ディスペランツァも不利を受けたこともあり残念な結果。内を上手く突いていたのですが、今回は、運もなかったです。

ということで、一応、馬券は的中も、本線ではなかったのでガミリ。ここ2週、印の打ち方が下手すぎてガミリばかり・・。もう少し、精度を上げる予想が出来るよう再度、研究が必要ですわ・・。

～総評～：2歳牡馬・牝馬のＧ１馬が１，２着。その実力をいかんなく発揮した。クラシック路線でも馬券になっていた馬だったので、ここでは能力が1枚も2枚も上だったか。時計が速い決着で、やはり、マイル以上のレースより、１４００ｍ実績のある馬が穴で激走。ただ、単勝人気がなかっただけで、１，２，１０番人気の結果ながら３連複は６番人気という結果。競馬ファンの馬券の美味さに脱帽。

～予想結果～　：◎直線で前が詰まるという不利がありながらも2着死守。能力の高さは示せた。世代トップのマイル適性は示したし、今後も期待できる1頭。ダイワメジャー産駒がこのレースとの相性がいいところも示してくれた。〇◎と同じダイワメジャー産駒で期待したものの、激流の先行集団に巻き込まれ、最後、失速。2歳時のパフォーマンスは見る影はなかった。◎との違いは、血統的にあちらは、母系に欧州型ノーザンダンサーに対し、こちらは、スピード型の米国リローンチ血統だった点。ダイワメジャー産駒で2，3歳マイルせんなら、やはり、母系は欧州型の方が相性がいいみたい。▲潜在能力に賭けてみたが大失敗。やはり、一朝一夕に気性の改善は起こらないということを思い知らされた結果だった。それと、ディープ産駒がいなくなって、父ロベルト系にも期待したが、やはり、3歳のマイル戦では、時計勝負になると出番はないということだろう。△2歳牡馬マイルＧ１勝ち馬の力をいかんなく発揮。皐月賞のレコードの反動を気にしたが、皆無だった。それは陣営のケアの素晴らしさがあってからこそだが、そもそもクラシック組でも世代トップクラスの能力の持ち主だったので、ここでは役者が一枚上だったか。×前走は、不利もあり、今回、前走より好転する可能性があった点に注目したのは良かった。このレースで好走するデータ的にも当てはまっていたし、実力が落ちる馬は、やはり、内枠で先行できるような脚質は有利か。あと、今日は、時計が速かったので１４００ｍの実績のある馬に有利だったかもしれない。この馬は、１４００ｍで実績があったので、好走できた可能性はある。☆前2走のような末脚を期待したが、やはり、スローペースしか経験してなかった点もマイナスだったか。鞍上弱化という点もあったかも。

「虎の巻」を改定です。

・中山、阪神１６００ｍ、新潟２歳S、中京１６００ｍ好走馬は、東京１６００ｍとリンクする。特に、オープン、重賞を前目で好走した馬は、ここでも、チャンスアリ。

・同じく、東京コース１４００ｍ好走馬もこのレースに向く。（1・21台の持ち時計があれば、さらに良し）

・クラシック出走権利があって、皐月不出走で、このレースに臨む馬は、チャンスアリ。

・NZT勝ち馬は、馬券になりにくいが、直線の長いコースで、連対した経験のある馬は、買い。（東京１４００～１８００ｍ、阪神１６００～１８００ｍ。勝ってない馬は無敗馬でも疑ってかかるべし）

・アーリントンCがトライアル化したので、こちらを重視。阪神１６００ｍは直結コース。（良馬場前提だが、レース当日と同じコンディションなら、良馬場以外でも直結する）

・トライアルが増えて、NZT組から買うなら、阪神、東京１６００ｍでの好走歴のある馬を狙う。

・血統は、サンデー、（ディープ、ダイワ、オルフェーヴル）、ロードカナロア、母父サンデー（ディープ産駒）、フレンチデュピティ（クロフネ）は向いている（米国的ノーザン系の馬は持続力があるのでこのレースに向く。ダンチヒ、ストームキャット、フレンチデュピティ系の血を持つ馬）。馬場が速ければ、キンカメ、ディープが幅を利かす。

・エピファネイア産駒などのロベルト系はこのレースは向いていないかも・・（時計のかかる馬場なら一考。古馬なら東京マイルは買える）

・前走１４００ｍ以下の馬は、オープン以上で東京１４００ｍ以上を経験し、勝ったことのある馬のみ。（ファルコンSなら連対。それ以外なら勝ち馬のみ）

・前走重賞以外なら、１着は必須。また、前々走が、条件戦なら、そのレースは、勝ちが絶対条件。

・『高速時計』＆『クラシック経験』の２つの要素は“ＮＨＫマイルＣにおける鉄板のセオリー”

・トライアルレースの検証は必要。（ファルコンＳ，アーリントンカップ）でのレースぶりを見ておくこと。

・当日の馬場状況をチェック。前残り、外差し、その日の馬場と、来ている血統馬をチェックすることは必須。これ、重要！

・開催週の傾向をチェック。時計が速そうなら短距離血統や、今後、スプリント路線で活躍しそうな馬が絡むので、そこから穴ウマを狙うべし。逆に時計が遅そうなら、１８００ｍやマイルで実績がある馬（１８００ｍ勝ち鞍や、重賞連対馬。マイルの重賞勝ち馬）を狙うべし。

とりあえず、こんな感じ。これで、来年は当たるといいなぁ・・。